支援学校で息子が習った「働く」意味。その内容にショックを隠せず…

2017年3月19日 14:00
 


特別支援学校高等部に入学した、自閉症の息子。その時間割を見てみると…

支援学校で息子が習った「働く」意味。その内容にショックを隠せず…の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10257002212

こんにちは。『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子です。

2000年に生まれた、知的遅れを伴う自閉症の息子は2016年4月7日に特別支援学校高等部に入学しました。

息子が高等部入学したばかりのころ、私は時間割を見て驚きました。

「あれ?数学、国語はこんなにちょびっとなの?」

そこにあったのは、作業、作業の連続の時間割でした。

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特別支援学校高等部は正式には高校ではありません。就労するための職業訓練校的色彩が強いです。

障害も重い子、軽い子がいます。それぞれの能力に合った就労先を見据えて、園芸班、紙工作班、清掃班、接客班、事務班などに分かれて訓練しています。


仕事=つらい?息子が学校で習った内容は…

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ある日、息子が学校から持ち帰ったファイルを開いてみると、「仕事頑張ります」と書いてありました。

社会に出るということも仕事の意味もわかっておらず、ただ担任に言われたことをそのまま写してているような気がしました。何だか切なくなりました。

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更にそのファイルには、仕事に関する穴埋め式の問題が入っていました。○のなかに回答を書くものです。

問題:高等部を卒業したら?
○○→○○をもらう→生活する

息子が書いた答えには、「働く」「給料」の文字が入っていました。

問題:お給料をもらうためには、仕事をしなくてはならない!
仕事は遊びではないので○○仕事や嫌な仕事もある
○○には「辛い」という文字が入っていました。

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息子の精神年齢は5歳くらいです。この穴埋め問題の意味をどれくらい理解しているのでしょうか。

先生が模範解答として示したものを、そのまま書き写したんだと思います。確かに書いてあることは正しいことなのですが…。


障害のある息子にとって、仕事はただつらいだけ?

社会に出れば学校時代のような見守られる環境ではなく、厳しい面もあります。嫌でもしんどくてもやらなくてはならないことも多々起こります。

でも…。「‟仕事は辛い“と最初にインプットしないでほしい。仕事が始まる前から‟苦しいもの”という先入観を持たせないほしい」と思いました。

仕事をするのは給料のため、生活のためだけではありません。息子には卒業後、障害があってもやり甲斐や張りのある毎日、「こんな僕でも誰かの役に立っている」という充実感を持ちながら働いてほしい。そう感じました。

「仕事は楽しい、だから頑張って技術を身に付けて仕事ができるように頑張ろう」

そんな穴埋め問題だったら良かったのに…と母として思いました。


働くことはゴールではない。むしろ、その先の人生のほうがもっと長い

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特別支援学校高等部では、生徒達がきちんと就労できるよう、訓練することに必死です。

でも、就労はゴールではありません。それから先も人生は続きます。むしろその先の方が学校生活よりもずっと長いのです。

企業は法定雇用率に基づいて、障害者を雇うようになりました。2013年からは、従業員数が50人以上の会社は、雇用する労働者に占める身体障害者・知的障害者の割合が2%以上になるよう義務付けられています。このパーセンテージは、将来もっと上がると言われています。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/120620_1.pdf
厚生労働省『平成25年4月1日から 障害者の法定雇用率が引き上げになります』
企業は義務として障害者を雇いますが、企業の側に障害に対する理解が十分あるとは限りません。例えば“アスペルガー症候群”の人にはどのような特性があり、物事をどう捉える傾向があるのか、正しく把握している人が企業にどれだけいるでしょうか。

このような状況だと、孤立し虐められ退職してしまう障害者も多くなるでしょう。

一方で親御さんの中には、「どうか子どもが今日もクビになりませんように」と神棚に祈っている人もいます。そこには、わが子が将来一人で生きていくためには、職場になんとか雇用されていてほしいという切実な願いがあるのだと思います。

そんな親の気持ちを知った子どもが、合わない職場でも嫌と言えず、働き続け、もがき苦しむという場合もあるかもしれません。

就労できたからといって、その先の人生が保障されているわけではないのです。だからこそ、特別支援学校も「訓練して、就労させて、はいさようなら」とならないでほしいんです。卒業後のフォローはあると学校側からは聞いていますが、ずっと見ていてくれるわけではありません。

障害のある子に対して、長期にわたり見守る制度が充実することを願っています。

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毎朝、慣れないネクタイの制服で悪戦苦闘している息子です。これも就労訓練の一貫なのかもしれません。

そして、「ああ、どんどん年齢を重ねないで就労なんて考えないでずっと可愛い子どもでいてほしいなあ。」「毎日楽しい学校生活のようなことを一生経験できる場があったらいいなあ」なんて思ってしまうのでありました。

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https://www.amazon.co.jp/dp/4799105566/
『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』2016年、すばる舎

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