2017年6月22日 16:30
好きな物だけお弁当に詰めた日々。それは発達障害の息子にとって大切な時間だった
一口手をつけようと頑張ってみはするものの、固まってしまう息子。「こんなに残すのはあなただけ」と周囲にたしなめられ、がっくり肩を落として帰宅します。
そんなある日、小学校が1日だけお弁当の日がありました。毎日給食のことでがっくりとして帰ってくる息子のために、息子の好きなものだけてんこ盛りのスペシャル弁当を作って持たせました。今思えば、幼稚園時代はそれがスペシャル弁当だという認識はありませんでした。息子の好きなものだけを詰めるということは、苦痛でしかなかったからです。
久しぶりのお弁当デー。息子は目をキラキラ輝かせて帰ってきました。
帰ってきて一言。
「お母さんのお弁当には、僕の嫌いなものは絶対入ってないんだ。幼稚園の頃はいつも、安心しきってお弁当箱を開くのが当たり前だと思ってたんだ。給食みたいに、出てくるときに怖い気持ちにならなかったんだ。お母さんのお弁当は、安心できたんだ。」
この言葉を聞いて、かつて幼稚園の先生が「息子くんの好きなものだけを入れてください。それは信頼関係なんです」とおっしゃってくださった意味が分かり、私は幼稚園時代が懐かしくて、涙が出てきてしまいました。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10175000769
初めてのものが怖い息子にとって、いつも安心して弁当箱の蓋を開くことのできた3年間は、宝物のような時間だったのです。
そして、その安心感を親が与えずに、誰が与えられるでしょうか。
「食育」とは、栄養をバランスよく与えることではなく、「食べる」ということを楽しいことだと感じられるようになる教育だと私は思っています。そう考えれば、偏食の多い発達障害児が、安心感を持って食事をできるようにすることも、立派な「食育」ではないかと私は思います。
プレ幼稚園で気になった息子の発達。発達外来は2ヶ月待ち!?紹介状は必要?事前に用意して正解だったもの