子育て情報『「自閉スペクトラム症の人が見ている世界」の疑似体験で、行動の意味や困難さを理解する取り組みとは?』

2018年7月21日 11:00

「自閉スペクトラム症の人が見ている世界」の疑似体験で、行動の意味や困難さを理解する取り組みとは?


自閉スペクトラム症の人が見ている世界を研究

自閉スペクトラム症のある人が見ている世界を、工学技術とのタッグで解析し、支援に役立てていく「CREST認知ミラーリング」プロジェクト。VRを使って、自閉スペクトラム症の特徴の一つである、視覚過敏症状を疑似体験できる、「ASD知覚体験シミュレータ」や、それを活用したワークショップなど、さまざまな研究を行っています。

http://cognitive-mirroring.org/
参考:CREST認知ミラーリング

「自閉スペクトラム症の人が見ている世界」の疑似体験で、行動の意味や困難さを理解する取り組みとは?の画像

Upload By K2U関川香織

この研究プロジェクトでは、4つの拠点が連携しています。

発達障害の当事者視点の提案を東京大学の熊谷晋一郎先生から、多様な認知過程についての神経回路の計算モデルの提案を国立精神・神経医療研究センターの山下祐一先生から。そして、認知ミラーリングシステムを用いたシミュレータ開発を情報通信研究機構の長井志江先生が、実際の社会実装として障害者支援の立場からLITALICOが。

さまざまな立場から、自閉スペクトラム症のある人たちの世界を研究し、伝え、社会の中にある障害をなくそうというプロジェクトです。
では、自閉スペクトラム症のある人が見ている世界を体験できるシミュレータとは、どういう役割を果たす技術なのでしょうか。長井志江先生とLITALICO発達ナビの鈴木悠平編集長との対談で、紐解いていきましょう。



自閉スペクトラム症の世界を体験するシステムを開発するきっかけは、ロボット開発にあった

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LITALICO発達ナビ編集長・鈴木(以下、鈴木) 長井先生、今日はよろしくお願いします。CRESTプロジェクトで研究をご一緒していますが、今回は、CRESTが始まる以前のことからお話を聞かせてください。

そもそも、長井先生が自閉スペクトラム症に関わるシステムの開発をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

長井志江先生(以下、長井) ロボットの開発をしていたときに、人工知能を賢く発達させていくために、人間の脳から学ぶことが多くありました。入力したことから引き出す結果である出力が、うまくいくときといかないときがあり、エラーが出てしまうのはどういうケースなのかを探る中で、自閉スペクトラム症についても研究することになったのです。

そこで、東京大学で自閉スペクトラム症のある方々と「当事者研究」

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