2022年11月7日 06:15
「就学時健康診断」涙で途中離脱。ASD・場面緘黙の娘、安心できる学校生活のために何が必要だった?診断前の出来事を今振り返って【専門家のアドバイスも】
小学校の就学時健康診断で…
ゆいの小学校の就学時健康診断では、高学年の生徒たちがアテンドをしてくれました。年長の子どもたちは保護者から離れ、お兄さん・お姉さんに手を引いてもらって各教室を回り、さまざまな検査を受けます。ゆいも初対面のお姉さんと手をつないで待合室を出発しました。
私は待合室でゆいの帰りを待っていたのですが、しばらくすると先生から声をかけられました。「お子さんが泣いてしまい、先に進めなくなっている」と言われ、私はゆいを迎えに行きました。
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ゆいは聴覚検査の会場になっている教室の前でしくしくと泣いていました。隣には困った顔をしたアテンド役のお姉さん。
きっと初めての場所で、初めての人に連れられて行くことに大変なストレスがかかっていたのでしょう。いくつかの検査には何とか耐えていたようですが、最後の聴覚検査を受ける前に限界が来たようです。
私が付き添って検査を受けさせようとしましたが、学校の先生に「無理をさせるのはかわいそうなので、特に聴こえ方に気になるところがなければもう検査は受けなくてもいいですよ」と言われました。そのお言葉に甘えて、ゆいには聴覚検査を受けさせずに就学時健康診断を終了しました。
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そのときの私は、この子は人見知りが強い子だなとしか思っていませんでしたし、まだ幼いから仕方ないと特に気にしていませんでした。今思えば、先の見通しが立たないと不安を強く感じるというASDの特性があったのだと分かります。前もって写真を見せながら本人に流れを説明するか、事情を説明して私がついていけば、少しは違った結果になったのかもしれません。
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小学校入学後の娘の様子は…
入学後も、ゆいは新しい環境に慣れるのに長い時間がかかりました。私は「早く周りの子どもたちのように、学校に慣れて楽しく登校してほしい」と、励ましや対応をしていました。そして、ときにはみんなと同じようにできないゆいにイライラし『可愛い子には旅をさせよ』という言葉を曲解して、ゆいに一人で行動させるようにもしました。でも、こういうやり方は、ゆいには効果がなく、結局長い時間をかけて慣れていくことしかできませんでした。今までの保育園生活から一気に環境が変わり、とても疲れていたゆいを、私はさらに追い込んでいたと思います。