2023年2月24日 06:15
自閉症娘は音感抜群!周囲の期待とは裏腹に、3歳から通ったピアノ教室をあっさり辞めた「娘らしい理由」
抜群の音感を持って生まれたASDっ子
いっちゃんは小さなころから音楽が大好き!
公園に行けば棒でリズムを取りながら遊具を叩きまわり、1歳になるころには3分程度の曲を覚え、ほぼ完ぺきな音程で歌うことができました。
私の実家にあったピアノにも早くから興味を持ち、3歳ごろには、簡単な曲なら耳コピして両手で曲を弾くことができるようになっていました。
Upload By 寺島ヒロ
CMを見て「ピアノ教室に行きたい!」と主張
ピアノを習い始めたのは、3歳3ヶ月の5月です。
テレビCMで受講生の募集を目にして「わたしこれ行く!」と、珍しく口に出して主張しました。
言葉がほとんど出ず、また尿意が鈍いところもあったので、自分でトイレに行くことはおろか、「おしっこ」と教えることもできなかったいっちゃん。当時はまだ日常的におむつをしていたと思います。それが「ピアノ教室に行きたい」と言いだしたので、とても驚きました。
実を言うと、私はピアノ教室に通うのはまだ無理だろうと思っていました。
私自身の送り迎えと付き添いの時間も必要ですが、兄のタケルの障害が分かったばかりで、あまり余裕もなかったですし。それで「ピアノ行く!明日行く!」といっちゃんが言うたびに「予約した日がまだ来ない」とはぐらかし続けていました。
しかし結局、孫に甘いおばあちゃんが「体験入学だけだよ」と、連れて行ってしまい、実際にピアノのレッスンを受けてみたことで、いっちゃんの中では「ここに通うことに決定!」してしまいました。またしてもわたしがぼーっとしているうちに、子どもの習い事が決まってしまったのでした。
ピアノのためなら頑張れる?課せられた試練
そのピアノ教室では、原則満3歳児は4月からレッスンがスタートするのですが、4月の本レッスン開始前に、2月からプレ教室に通うことになっているのだそうです。つまり、5月から習いはじめたいっちゃんにとっては、同じクラスの子どもたちと比べ3ヶ月分の遅れが生じるということになります。
ふーん、3ヶ月遅れかー...。
と、思っているだけでは終わらなかったのです。
担当の講師の先生が決まったとたん、呼び出され「5月の入校までに追いついてください!できなければ私の教室には入れられません」と、言い渡されてしまいました。
3歳からこのピアノ教室に通う子どもは基本的にプロ志向であることを、私はそのとき初めて知りました。