2023年8月28日 14:15
インフルエンザ脳症の初期症状は?後遺症、後悔しないための予防法/医師監修
異常言動・行動も短時間のものは経過観察となる場合があり、1時間以上を目安に長時間続く場合などはインフルエンザ脳症の可能性が高いと考えられています。
異常言動・行動には、
・保護者のことが分からなくなる
・突然大きな声で歌いだす
・幻覚が見えるようになる
・意味不明なことを話す
などがあります。
ただ、けいれんと異常言動・行動が両方表れている場合は、インフルエンザ脳症の可能性が高くなるため病院に受診することになります。
インフルエンザ脳症を発症したあとは、無治療の場合は死亡率が約30%でしたが、その後の研究などにより、10%以下にまで下がってきます。ただ、治療後も後遺症が残る場合があり、その割合は25%程度ともいわれています。
後遺症としては身体障害や精神障害が残る可能性があります。身体障害が残ることは少ないですが、四肢麻痺が残る場合もあるといわれており、精神障害が残る場合は知的障害、てんかん、高次脳機能障害が多いです。
後遺症が残った際は、症状に合わせて運動機能やコミュニケーション訓練などのリハビリテーションが行われます。
それとともに、突然障害が生じたことへの子ども、家族双方の精神的なケアも並行して行っていくことが多いです。
また、インフルエンザ脳症の後遺症の影響により、学校生活や勉強で困ることも考えられるため、スクールカウンセラーや先生などと連携してフォローアップしていくことも大事とされています。
子どもは高熱が出たときに、意味不明な発言をしたり、突然大声を出すといったことがあり、この状態は熱せん妄と呼ばれています。
熱せん妄とインフルエンザ脳症の異常言動・行動は共通している部分も多く、正しく診断するためには鑑別が必要です。
厚生労働省の発表しているインフルエンザ脳症のガイドラインによると、
①おおむね1時間以上続く
②明らかに意識状態が悪い
という条件を満たす場合に、インフルエンザ脳症の可能性が高いとしています。
ただし、1時間以上などの条件はあくまで目安のため、状況によっては専門的な医療機関で検査することが必要とも記載されています。また、同時にけいれんが見られる場合にもさらなる検査が必要とされています。
後悔しないために。子どものインフルエンザ脳症の予防法、治療法
インフルエンザ脳症を防ぐには、まずインフルエンザにかからないような対策が有効といえます。