2023年9月30日 16:15
小児喘息の原因は?アレルゲンや症状、発作を和らげる治療など【医師解説】
1つは喘息の発作が起きないようにするための治療、もう1つは発作が起きたときの治療です。
発作が軽かったり、まれに発作を起こしたりするぐらいの症状であれば、発作が出たときにだけ薬を用いますが、たいていの場合は発作を予防するための治療を行います。
喘息発作を起こさないためには、気道の炎症を鎮めることが大切です。そのために、吸入コルチコステロイド薬やロイコトリエン修飾薬という薬を用います。発作がないときにも治療を続けることで、発作が起こりにくくなるので、自己判断で中止するのはやめましょう。喘息の治療は、発作が出ることなく、呼吸の検査で問題がなくなることがゴールです。
発作を予防するための吸入コルチコステロイド薬は、主に吸入薬として使用します。発作の重症度によって、薬の用量や吸入回数を増やします。
吸入コルチコステロイド薬の副作用を心配する方がいらっしゃいますが、全身への副作用はほとんどありません。ただし、口内に残ると、のどの違和感やカンジタ症につながることがあるので、吸入後はうがいが必須です。うがいができないお子さんは吸入後に水を飲みましょう。
ロイコトリエン修飾薬は、アレルギーに関わるロイコトリエンという物質の働きを阻害し、気道の炎症をおさえて気管支を広げる効果があります。内服薬として使用します。
発作が起きたときは、気管支を広げて呼吸をスムーズにする短時間作用性気管支拡張剤を中心とした治療をします。発作が軽いうちに吸入することで、重症化を防ぐことができます。また、吸入や飲み薬が苦手なお子さまには、ホクナリンテープという皮膚に貼るタイプの薬を用いることがあります。
発作が起こったときにどうすればいいか、薬の正しい使用法など、日ごろから主治医と相談しておきましょう。
呼吸や咳が苦しくて眠れない、話せない、呼吸するとのどやろっ骨の間がはっきりへこむなどの症状があるときは、急いで医療機関を受診してください。救急車を要請してもいいでしょう。受診するまで、手持ちの短時間作用性気管支拡張剤を吸入します。
小児喘息は、アレルギーの関与が強いことが分かっています。アレルギーを引き起こす原因=アレルゲンには、ダニやほこり、カビ、犬や猫の毛やふけ、花粉などがあります。喘息を引き起こすアレルゲンを調べるため、血液検査によるアレルギー検査を行うことがあります。ただし、検査で陰性だったとしても、実際にはアレルゲンになっていることもあるので注意が必要です。