妊婦のお腹にパンチ!「子どもの過失で流産」したら責任は誰が?

2017年3月20日 21:30
 

source:http://www.shutterstock.com/
先日、発言小町で、“子どもが妊婦のお腹をパンチした”件での書き込みが、2012年公開にも関わらず4年以上たったこのタイミングで再度ランキング入りするなど、にわかに注目を集めました。

これに限らず、子どもに悪気はないものの、不注意で大事故につながってしまうことも考えられます。

悪気のない“子どもの過失”は法的にどこまで問われるのでしょうか?弁護士の筆者がお答えします。



「悪気のない子どもの過失」は親が責任を負わなければならないのが原則
法律上、未成年者のうち、自分の行為がいいことか悪いことか判別する能力に乏しい子どもについては法的責任を負わない(責任能力がない)こととされています(民法712条)。

そして、責任能力のない子どもの過失(不注意)によって他人に損害を与えてしまったときは、両親などの監督義務者が損害を賠償しなければなりません(民法714条)。

なぜこのようなルールになっているかというと、“責任能力がなければ自分の行為が違法かどうかがわからないため本人には法的責任を負わせないこととしますが、他方、それでは被害者保護に欠けてしまうので、代わりに監督する義務を負っている人に損害を賠償させるべき”だと考えられているからです。

まさに、子どもには悪気がないがゆえに、監督する両親が代わりに損害を補てんしなさいという発想です。

裁判例では、12歳くらいの子どもであれば責任能力があるとされていますが、発達の程度などによって判断が分かれています。

 

「親が責任を負わなくてもよい場合」はかなり例外的
民法714条では、監督義務者が子どもを適切に監督していたことを立証できれば損害賠償責任を負わないとされています。しかしながら、いままで両親が損害賠償責任を負わないとされた裁判例はきわめて少なく、「きちんとしつけをしていました」程度の立証では責任を免れることができません。

たとえば、両親と一緒にいないときにキャッチボールをしていた子どもが他人にボールをぶつけてけがを負わせたケースで、両親に損害賠償責任を認めた裁判例があります。 

冒頭のケースで流産した場合「両親が損害賠償責任」を負うことに
一方で、両親の日頃の監督はある程度一般的にならざるを得ないため、通常は人に危険が及ぶものとは考えられない行為によってたまたま損害が生じたときは、特別の事情がない限り監督責任を負わないとした最高裁判例が最近出ましたが、冒頭のように、子ども(責任能力のない子)が妊婦のお腹をパンチしたようなケースにおいて、妊婦が流産してしまったなどの損害が発生したときには、両親が損害賠償責任を負うことになるでしょう。

ほかにも、子どもの不注意により他人に損害を与えるケースとしては、遊んでいて友達にけがをさせたり、自転車に乗っていて人にぶつかったりということが考えられます。

 

日頃から子どもをしつけていても、子どもは夢中になると注意を忘れてしまうことがありますから、もしものときのために個人賠償責任保険に入っておくこともいいかもしれません。

 

【参考・画像】

※ 妊娠中のお腹をパンチしてきた子に対して – 発言小町

※ Evgeny Atamanenko / Shutterstock

【著者略歴】

※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。

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