子育て情報『映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方』

映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方

目次

・ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』
・原作『床下の小人たち』——様々な視点から物語を味わう糸口に
・図工や体育、演劇に作話まで!イギリスの小学校での『小人たち』
・映画を見ながら家庭でも『小人たち』との学びを深めよう
映画鑑賞から読書、図工や作文へ!ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方

前回はジブリ映画『天空の城ラピュタ』から、親子でイギリスの社会と文化を学ぶためのヒントについてお話ししました。今回は同じスタジオジブリから『借りぐらしのアリエッティ』を取り上げます。

英語圏でよく知られている児童書『床下の小人たち』を下敷きに、ジブリが作ったこの映画は、イギリスでも広く愛されています。


映画鑑賞から読書、図工や作文へ! ジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』から広がる “イギリス流” の学び方

大きな古いお屋敷に住む小人たちは、人間からいろいろなものを「借りて」生活しています。けれど、小人たちの人数はどんどん減ってきていて、主人公のアリエッティはお父さんとお母さん以外には自分のような小人を見たことがありません。そんなアリエッティが、人間の少年と出会ってしまったことから、家族の運命は大きく変わっていってしまいます。

シンプルなお話ですが、安全ピンや、小さな瓶の蓋など、子供たちの身近にあるもので想像力を働かせることができるので、実際に小学校の教材に取り上げられることも多い作品です。我が家の子供が初めてイギリスの小学校に上がった時に私の目に最初に止まったのは、『床下の小人たち』をモチーフとした工作でした。

映画から原作へ、原作からさらにイギリス社会の理解へつなげることもできますし、子供にとって刺激の多い様々なアクティビティへ展開しやすい物語だと言えるでしょう。

ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』

児童書『床下の小人たち』は非常に人気のある作品ですから、今までに何度も映画化されています。アメリカでも冒険映画に仕立てられていますし、本家イギリスでも公共放送局のBBCがテレビ映画化しています。
BBC版の短いクリップをご紹介しましょう。

こうしたさまざまな映像化の試みの中でも、ジブリの『借りぐらしのアリエッティ』はストーリーラインが比較的原作に忠実で評価も高いのです。舞台は日本に移されましたが、物語の大筋はあまり変えられていません。

この映画ではアリエッティは、父親のポッドと母親のホミリーと一緒に日本の古い屋敷に住んでいます。和洋折衷のお屋敷で、家族は人間に見つからないように、小さなものを「借り」ながら生活をしています。

14歳のアリエッティは、一人娘。お父さんと「借り」に行きたくてうずうずしていますが、初めての「借り」で人間の男の子、翔に姿を見られてしまいます。人間に見られてしまったことで、家族の生活は激変します。
翔は小人たちと友達になろうとしますが、家政婦のハルさんは小人たちを捕まえようと張り切ります。

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