死に至るキケンも!? 中年女性に多い「胆のう炎」の原因と対処法
あまり聞き慣れない器官である『胆のう』。
これが炎症を起こした状態を胆のう炎と言いますが、炎症が強くなると摘出手術をする必要があるなど、決して油断できない病気です。
サッカー元日本代表の中村俊輔選手も、この胆のう炎に悩まされた経験があり、 2013年に除去手術 を受けています。
痛みが長時間続いたり、発熱や吐き気を伴うことがあるなど、日常生活にも悪影響を及ぼします。
ここでは、胆のう炎の原因や症状、予防法などについて紹介したいと思います。
●胆のうとは
胆のうは、肝臓で作られた胆汁を一時的に溜めておく器官で、西洋梨に似た形をしています。
ここに溜まる胆汁は脂肪を消化するために使われる液体であり、肝臓で作られた後、胆のうに溜められているあいだに濃縮され濃くなった状態で十二指腸へと送られます。
胆のうは食べたものの消化を手助けする重要な器官ではありますが、仮に失われたとしても、肝臓が胆のうのない体に順応し自ら濃い胆汁を作り出すようになるため、消化に異常が起きることはない ようです。
●胆のう炎になる原因
胆のう炎は、胆のうに石ができる胆石症を併発していることが多く、この胆石による刺激や、胆汁に含まれる胆汁酸による刺激で炎症が起こると考えられています。
また、胆石の影響により、胆のうに胆汁が溜まって細菌が感染することもあります。
40代以降の中年女性 に多く見られる傾向があるようです。
●胆のう炎の治療法
炎症が軽いものであれば、絶食したり抗生物質を使ったりすることで治すことができます。
ただし、炎症が重度になると胆のうを摘出する手術を行わなければならなくなるでしょう。
なお、内科的な治療では再発の可能性 もあるため、根本的な治療を求めるのであれば手術を行うのが一般的です。
●胆のう炎の予防法
胆のう炎のほとんどが胆石が原因で引き起こされることから、いかに胆石を作らないようにするかが重要です。
胆石はコレステロールをもとに作られるため、脂っこい食事や偏った食事を控え、適度な運動をする ことが予防になります。
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胆汁が細菌に感染した場合、うまく処置しなければ死に至ることもある怖い病気です。早期発見できればそれだけ負担も軽くなるため、発熱を伴う腹部の痛みや黄疸などの症状を感じたら、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。