2022年7月8日 20:00
サッカーの練習後にぐったりして食欲がない子ども。これって熱中症? 自宅でできる熱中症対策の基本
体温を超える気温を記録する日本の夏。毎年のことながら、この時季は子どもの熱中症が特に心配になりますね。
近年、熱中症予防方法については、啓蒙が進んでいることもあり、水分補給の知識などある程度は知ってはいるものの、実際に熱中症になったときにはどうしたらいいのかはわからないことばかり、という親御さんも多いようです。
そこで、「熱中症予防声かけプロジェクト」実行委員長の帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・三宅康史先生に、暑さでぐったりとして帰ってきた子どもがするべき自宅での対処方法を教えてもらいました。
前編では、子どもが熱中症かどうかをはじめ、暑さによるダメージを受けている状態かどうかや、家庭でのケアで様子をみて大丈夫かどうかを見極めるコツを、後編では食事をはじめとした家庭での対処法や親御さんの見守り方をご紹介します。
(取材・文:小林博子)
写真は少年サッカーのイメージ
■「熱中症かも?」と思ったら、迷わず早めの対処を
夏の暑い日に帰宅した子どもがいつもよりぐったりとした様子だと、まっさきに熱中症を疑い、とても心配になるはず。
熱中症が重症化すると怖いというのは周知の事実ですし、子どもが最も成長すると言われる夏に、熱中症で練習を休ませてしまう日が続いてしまうのは避けたいという気持ちもあるかもしれません。
少しでも効果的なケアをしてあげたいと、まずは「熱中症かどうか」を見分けたいと思うかもしれませんが、三宅先生によると「こんな症状を訴えたら熱中症です」という明確な線引きは難しいと言います。
また、「風邪気味」などのように「熱中症になりかけている」という状態であるかどうかも、はっきりとはわからないことがほとんどだそう。
「夏にぐったりとしていたら、すべて『熱中症の可能性あり』と思って正解。熱中症も他の病気と同じく、『早期発見・早期治療』が最も有効なので、早めに対処できることが大切です」(三宅先生)
つまり、子どもの様子が熱中症を疑うような状態だったら早めに対処してあげることが重要ということです。
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■こんな状態だったら「熱中症の可能性あり」
具体的には、ぐったりとしている子どもが以下にあげるような様子を見せているときは、熱中症を疑う状態と考えられます。・発熱している
・体がほてっている
・頭痛や下痢などの体調不良がある
・食欲がなく、食べられない
・ふらふらとしている
・目つきがうつろ
・顔色が悪い
・元気がない
・眠れずに寝不足状態になっている
など
基本的には「いつもと違う」