意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ドーピング」です。***リオ五輪の開催前、ロシアの国家ぐるみのドーピング隠蔽行為が発覚し、問題になりました。世界にドーピングの衝撃が走ったのは、1988年のソウルオリンピック。100m走で、ベン・ジョンソンがカール・ルイスに勝ち、人類初9・8秒台を切るタイムを叩き出しました。ところが、ドーピング検査で陽性になり、ジョンソン選手の金メダルは剥奪されてしまいました。ほかにも陽性の選手が後を絶たず、これをきっかけに1991年にジョンソンの祖国、カナダでアンチ・ドーピングの機関が誕生。1999年には世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立されたのです。ドーピングは必ずしも、選手が故意にしているとは限りません。たまたま飲んだ薬の中に禁止成分が入っていて、引っかかるケースも。テニスのマリア・シャラポワ選手が2年間の出場停止処分になりましたが「禁止薬物とは知らなかった」と提訴しています。禁止成分は随時更新されますから、ドーピングを避けるには、選手だけでなく、チームやコーチ、医師や薬剤師も正しい知識が必要。WADAやJADA(日本アンチ・ドーピング機構)はそれぞれの立場での注意を促しています。ドーピングは、製薬会社のビジネスとも密接な関わりがあると指摘する声もあります。合法的に運動能力が上がる薬となれば、ビッグビジネスになりますよね。最近はWADAと大手製薬会社が情報を共有してドーピングを未然に防ごうとしていますが、これも諸刃の剣。規制をすり抜ける新薬が開発され、後にその成分が規制されるというイタチごっこにもなってしまいます。今回のリオ五輪で、IOC(国際オリンピック委員会)が、ロシアの参加を全面禁止にしなかったことに対して、処分が甘いという意見もありました。しかし、五輪は平和の祭典。開催期間は休戦し、人種や国境を超えて皆が参加すること、五輪を続けることに意義があります。大国ロシアが抜けてしまったら、その秩序が崩れてしまう可能性も。そもそも、スポーツとは何を競い合うものなのか?原点に立ち戻り、清い戦いを見せてほしいですね。フェアな戦いこそが感動を与えてくれます。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月21日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京都知事」です。***新しい東京都知事が、初の女性知事・小池百合子さんに決まりましたね。東京がどれほどの大都市なのか、数字の面から見てみましょう。2016年度の東京都の年間予算は、13兆6560億円。日本の国家予算総額が96兆7218億円ですから、比較しても相当な額というのがわかります。また、この東京の予算額は、スウェーデンの国家予算に匹敵する(!)規模です。GDP(国内総生産)では、東京都は2015年度見込みで92兆9000億円=約1兆1326億ドルです。世界のGDP順位を見ると、1位はアメリカ約18兆ドル。2位中国、3位日本が4兆ドル台。数字上では東京は12位に匹敵し、スペインやメキシコのGDPより勝っているのです。都市別に見ると、2014年の1位は東京。2位NY、3位ロサンゼルスと続きます。東京は経済的には、国レベルといってもいい大きさなんですね。日本の総理大臣は議会が選びますが、都知事は直接民主制によって、私たちが直接選べます。つまり、東京都知事は東京という一つの国の大統領のようなもの。また、東京には、日本の全人口の約1割が集中。大企業の本社や外国企業の5割は東京にあり、日本の税収のうちの約4割は東京から集められています。これだけの人とお金が動いている少なくないんです。たとえば、石原慎太郎さんが都知事だったとき、東京の空気の浄化のために、ディーゼル車の走行を規制しました。これにより、自動車メーカーは、世界一基準の厳しい排気ガス規制に対応できるクリーンな自動車を開発。日本の技術力を上げるきっかけになりました。石原都知事はほかにも、日本史を都立高校の必須科目にしたり、横田基地の返還要請をし、航空管制の一部を返してもらうなど独自の政策を実行していきました。近年は任期が短くて、実績を残す機会は減っていますが、都知事は日本全体にも少なからぬ影響を与える存在ということに変わりはありません。予算が膨らむ東京五輪問題や土壌汚染を抱える築地市場移転問題など、小池流改革手腕でバッサリ切り込んでいってほしいなと期待しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イギリスのEU離脱」です。***6月にイギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票を行い、離脱派が勝利。残留派のリーダーだったキャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイが首相になりました。投票結果は残留派48%、離脱派52%の僅差。EU離脱の選択は、世界に衝撃を与えましたが、実はイギリス国内でも「まさか本当に離脱になるとは!」と驚きの結果だったのです。離脱に傾いた大きな理由は、難民問題。離脱派の元ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、「難民が流れ込んだせいで国内の失業率が上がり、テロの脅威にさらされている。EUを離脱し、イギリスは主権を取り戻すべきだ」と主張しました。EU(欧州連合)とは一つの大きな国のようなものです。第一次、第二次世界大戦で大きな犠牲を払ったヨーロッパは、資源争いによる敵対をやめ、まとまる必要に迫られました。EUを立ち上げ、資源を分かち合い、関税を取り払って、人・もの・お金が自由に行き来できるようにしました。ヨーロッパ全体で協力し合うことで、安全保障と大きな経済成長を得たのです。しかし、EU加盟の恩恵は国ごとに差があります。イギリスやフランスは借金の多い国々を助ける役回りになり、経済的負担は少なくありません。また、EU内には法律があるので、国内で勝手に物事を決められない不自由さも出てきました。ジョンソンが「主権を取り戻す」と言ったのはそういう理由です。ジョンソンは有力な次期首相候補でしたが、離脱が決まると立候補を取り下げてしまいました。他にも、国民投票後に現場を退いた離脱派の政治家もいました。つまり、覇権争いのために、離脱の主張をしていた議員が少なからずいたということ。それだけ、国民の不満は募っており、支持を得るには格好のテーマだったのです。首相のなり手はなかなか見つからず、残留派だったメイが名乗りをあげます。メイ首相は22人の閣僚のうち7人に、ジョンソンを含む離脱派の閣僚を据えました。離脱のニュースの後、ポンドは下落、円高ドル高の流れに。世界経済にも影響を及ぼしています。イギリスがEUを離れ、どんな政策で問題解決していくのか世界が注目しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月30日モデルの森泉と長谷川潤が、9月3日(21:00~23:21)に放送されるテレビ朝日系バラエティ特番『無人島0円生活』で、サバイバル生活に初挑戦することが16日、明らかになった。この12年、何度も無人島生活を経験してきたお笑いコンビ・よゐこと対決する。今回両チームは、猛暑の中で"無人島に眠る最大最古の謎"を探しながら、サバイバル生活で奮闘し、森と長谷川は、モデルながら日焼けも気にせず活躍。森はDIYの特技を駆使して拠点となる家を作り上げ、長谷川も人生初のモリ突き漁で、よゐこ・濱口優も驚きの腕前を見せつける。こうして"楽しい無人島0円生活"を目標に掲げた2人は、「夏フェス」も行うなど、笑いの絶えない2泊3日をエンジョイする。サバイバル生活を終えて取材に応じた2人。森は「無人島に行く前は『実は裏にソファやカップラーメンがあるのかな』なんて思っていたんです(笑)」とお気楽ムードで挑んだそうだが、当然そんなものは用意されておらず、「『本当にガチなんだな』って思いました(笑)」と苦笑い。それでも、「草で作ったベッドで木の枕で寝たり、普段とはまったく違う環境での生活だったけど、人って与えられた環境に順応できるんだなって、つくづく思いました」と振り返った。一方の長谷川は、初挑戦のモリ突き漁について「すっごく難しい! でも、それに燃えた! 今じゃもう、(在住の)ハワイで早速やりたいと思ってるくらい、趣味になりそう!」とすっかりハマった模様。無人島で「アドレナリンが出すぎて(笑)」といい、東京に帰ると「まるで飲みすぎた次の日の朝みたいに『やっちゃったなぁ…』って恥ずかしくなっちゃったんですよ」というほど、楽しんだようだ。受けて立つ無人島生活のベテラン・よゐこは、44歳という年齢による体力的な問題も抱えながら、漂流物100%の手づくり衣装でファッションショーを行うなど、新たな挑戦も。有野晋哉は「汚い手づくり衣装を着てますから(笑)」と話し、濱口は「今回も、有野が小麦粉で作る"ちねり米"が最高においしかったんですよ! キラキラ輝いて、食感もプリプリしていて、一切雑味のない"最高のちねり米"でしたね」と、相方の技術を絶賛している。
2016年08月16日MARK STYLER株式会社が運営するファッションブランド「アングリッド(Ungrid)」が、人気モデル長谷川潤を起用した2016年Autumn/Winterのシーズンビジュアルを発表。「アングリッド」のホームページやSNSで公開中。今回のシーズンコンセプトは「COMFORT LUXE」。前回の2016年Spring/Summerに引き続き、長谷川潤をイメージモデルに起用し、凛としたかっこいい女性像を表現。撮影は、ハワイのオアフ島で撮り下ろし、シーズンコンセプトの背景にあるCITYなロケーションを演出している。オフィシャルサイト : インスタグラム : @ungrid_official
2016年08月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「核なき社会」です。***みなさんは、8月6日、9日が何の日かわかりますか?71年前のこの日、世界で初めて、原子爆弾が投下されました。8月6日は広島に、9日は長崎に。一瞬にして街は焼け焦げ、その年の12月までに広島では約14万人、長崎では約7万人の方が亡くなりました。数年後に白血病やガンを発症したり、子供に原爆症が出るケースもあり、総被害は数知れません。日本は原爆の恐ろしさを知る、唯一の被爆国なんです。現在、核保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9か国。これほど恐ろしい兵器を、なぜ皆持ちたがるのか?悲しいことですが、核を保有することで、敵対する国同士の抑止力になっている、というのも現実なんです。とはいえ、核兵器がこのまま増え続けたら、地球規模の危機に晒されます。2009年、オバマ大統領はプラハで、核保有国として初めて「核なき社会を目指そう」と国際社会に訴えかけました。その後、アメリカ・ロシア間では核軍縮の合意が取れ、処分後もテロリストに核兵器が渡らないよう、注意を払っています。一昨年、国連総会で「核兵器使用禁止条約」がオーストリアから提案されました。化学兵器や生物兵器は国際条約で、使用したら戦争犯罪として裁かれることになっています。それに核兵器も加えようという提案。賛成125か国、反対50か国、棄権7か国で可決されましたが、実は日本はこのとき棄権しました。日本は自国では核兵器を持ちませんが、同盟を結ぶアメリカに、中国や北朝鮮の脅威から守ってもらっている立場。その手前、賛成することができなかったと言われています。今年5月、アメリカの現職の大統領としては初めて、オバマ大統領が被爆地の広島を訪れ、平和を訴えましたね。これが実現したのも、毎年、原爆記念日に世界に向けて平和のメッセージを発信し、核保有国の首脳に手紙を送り続けた広島市の不断の努力の賜物です。原爆の惨劇を伝えられるのは、世界で日本だけです。戦争体験者が次々いなくなる今後、二度と悲劇が起こらないよう、8月6日、9日のことを私たちは忘れてはいけないと思います。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月05日7月29日(金)今夜放送の日本テレビ系「アナザースカイ」に、本日より全国公開された映画『シン・ゴジラ』に出演している俳優の長谷川博己が出演。想い出の地バルセロナを訪れ、俳優を続ける理由や新たな夢について語る。「アナザースカイ」は毎回ゲストを招き「海外にある第2の故郷」というテーマで。MCの今田耕司と瀧本美織がゲストの人生を掘り下げていく番組。今回長谷川さんは17年前、学生時代にバックパッカーとして訪れたというスペイン・バルセロナを再訪。懐かしの絶品パエリアを堪能、当時感動したというガウディのサグラダ・ファミリアへ。さらに当時知り合った地元の弁護士・ホセさんと奇跡の再会。ホセさんが長谷川さんの当時の様子を明かす。そして長谷川さんが語る“なぜ俳優を続けるのか?”その理由と“新たな夢”とは?いま、最も熱い俳優のひとりである長谷川さんの新たな一面が今夜明かされる。長谷川さんが主演を務める『シン・ゴジラ』は『ゴジラ FINAL WARS』以来約12年ぶりの“国産”ゴジラ映画となり、「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる庵野秀明が総監督を務め、『進撃の巨人』の樋口真嗣監督のもと、メインキャストには内閣官房副長・矢口蘭堂官役に長谷川さんの他、内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役に竹野内豊、米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースン役で石原さとみ、高良健吾、大杉漣、柄本明、余貴美子、國村隼、ピエール瀧、さらに斎藤工、前田敦子ら若手俳優、音楽アーティスト、映画監督などジャンルを超えて、総勢328名にも上る豪華キャストが集結した。また本作ではゴジラがフルCGで描写されるが、その動きを狂言師の野村萬斎が担当。新宿で行われたワールドプレミアでは、本作のゴジラの全長に合わせて118.5メートルのレッドカーペットが敷かれるなど、数々の話題を振りまいた『シン・ゴジラ』がいよいよ全国に“上陸”する。「アナザースカイ」は7月29日(金)23時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2016年07月29日俳優の長谷川博己が7月25日(月)に開催された主演作『シン・ゴジラ』のワールドプレミアに出席。「ポケットに入るモンスターを追いかけるのもいいですが、この夏は世界最大のモンスター、ゴジラを追いかけていきたい」とポケモンGOに対抗心を燃やした。12年ぶりの“国産ゴジラ”映画の世界初お披露目となったこの日、会場となった東京・歌舞伎町のセントラルロードには、本作に登場するゴジラと同じ全長118.5メートルのレッドカーペットが敷かれ、長谷川さんをはじめ、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、松尾諭、市川実日子、大杉漣、塚本晋也、尾上克郎准監督、樋口真嗣監督、庵野秀明総監督という超豪華なキャスト&スタッフが勢ぞろいした。会場に駆けつけたファンおよそ3,000人の大歓声を浴びた長谷川さんは、「まるで自分がトム・クルーズになった気分。すごい熱気で皆さんの期待を肌で感じました」と上機嫌。完成したばかりの本作は「熱く、そして皆さんの心に訴えかける激しさがある作品」だといい、「日本の伝統文化でもあるゴジラを、大きなスクリーンで体感してください」とアピールした。脚本・編集・総監督を務めた庵野氏は「公開を目前に控えて、まだいろんなことを秘密にしていますが、やはり何の先入観もない状態で純粋に楽しんでもらいたい」とこの日まで情報をシャットアウトしていた理由を説明し、「意外と正攻法で作っていますので、安心してご覧ください」と“王道”宣言も飛び出した。なお、レッドカーペットが敷かれた歌舞伎町のセントラルロードは、『シン・ゴジラ』の公開を記念し、“ゴジラ・ロード”に改名されることが発表された。ゴジラの名称が、地名に使用されるのはこれが初めて。“ゴジラ・ヘッド”を有するTOHOシネマズ新宿へと向かう道の名称として、これ以上のものはなく、今後歌舞伎町の新たな名所となりそうだ。『シン・ゴジラ』は7月29日(金)から全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年07月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ふるさと納税」です。***ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付をする制度です。寄付をすると、その額から2000円を引いた額が、所得税と住民税から控除されます。日本は東京が中心となり、大都市ばかりに人もお金も集まってしまっています。地方にお金が回るようにと、ふるさと納税制度は2008年に公布されました。寄付した人には地方の特産品などのお礼の品が送られます。理念は素晴らしいのですが、年々、自治体ごとの寄付金獲得競争が加速、返礼品がエスカレートして豪華になってきてしまいました。自治体の方でも返礼品が重荷になったり、返礼で受け取った金券を転売する寄付者が出てくるなど、本末転倒な事例も。公布から8年たち、そろそろ制度の見直しが必要なのかもしれません。また、ふるさと納税を使って、高額所得者が高額の寄付をし、寄付額がほとんど還付される、節税対策に使われていることを問題視する人もいます。いわば、日本のタックスヘイブンです。ただ、都市と地方の格差は広がる一方。地方は財源を得るのが本当に大変です。ですから、たとえタックスヘイブンになったとしても、地方にお金が回るのは良いことなんじゃないかと思います。最近では被災地にふるさと納税する人も増えていますね。熊本への寄付金も増えて、復興に役立っています。問題は、寄付をする側の姿勢ですね。ただの節税対策や、返礼品目当てのショッピングモールになってしまうのは残念。集まった寄付金の使い道は各自治体で公開していますので、寄付をしたら、ぜひチェックしてください。また、一度その土地に足を運んで、実際に見てきてほしいですね。都市部はどうしても消費が中心。地方が生産を支えています。農業、林業、水産業の「生産者を守る」という意識で地方を応援していきたいですね。実際に生産の現場の大変さを知ると、無駄な消費をしなくなります。日本はレストランでもコンビニでもたくさん食品を捨てていて、食品ロスが多いんです。過剰な消費から生まれる社会問題は少なくありません。生産と消費、都市と地方のいいバランスを目指していきたいですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月20日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「参議院選挙」です。***皆さんは「三権分立」を覚えていますか?法律は立法権を持つ国会で作られ、法律に基づいて政治を行う内閣は行政権を、法律に基づいて裁判する司法権は裁判所にあります。これらは暴走しないように互いに監視し合う、ということになっていますが、実際は行政府と立法府が一本化しているよう。内閣が望む法案が、成熟した討議のなされないまま、数の論理で決まることが多い印象があります。国会答弁の数は与党が1割、野党が9割と割合が決まっていますから、これには反論する野党側の責任も少なくありません。大統領と上院下院が対等に、緊張感を持って存在し、常に意見を戦い合わせているアメリカとは大きく違いますね。日本の場合、総理大臣や各大臣は、立法府(国会)で議席を多く取った党内から選ばれます。また、「党議拘束」といって、党員は政党の方針に従わねばならないという規則があります。自分が所属する政党と違う意見に票を入れると、体制に逆らったと罰せられたり、党の公認を得られなくなったり、除名処分になることも。そのため、全体が数の多い与党の意見に流れることが構造的に起きてしまうんですね。国会には衆議院と参議院があって、衆議院で可決された法案を、参議院で再討議します。参議院は衆議院のように途中で解散することなく、任期は6年。半期ごとに半分の議員が選挙で選ばれます。衆議院とは別の角度からじっくり法案に取り組むことが求められています。しかし、党議拘束は参議院にもかかりますから、残念ながら、衆議院との役割の違いがあまり見えてきません。選挙前には国民が喜ぶような聞こえの良い法案が掲げられたり、結局、「選挙に勝つための政治になっていないか?」という疑問も拭えず、国民の政治離れが進んでしまいました。7月10日は参議院議員通常選挙の投票日です。代表演説やマニフェストをチェックして、ぜひ政策の中身で政治家を選んでください。日本は、お上の決定に民が従う歴史が長かったものですから、政治を政治家にまかせる慣習が染みついています。でも今、当事者意識を持って、政治家に働きかける積極性が求められているんです。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月13日号より。
2016年07月11日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「待機児童」です。***条件を満たし、入所申請をしているにもかかわらず、保育所に入れない「待機児童」の数は2015年4月の段階で約4万5000人。キャンセル待ちの多さに諦めて、最初から申請していない家庭もあるので、潜在的な待機児童数を含めるとその数はもっと多くなるでしょう。待機児童問題は、保育所の数を増やすだけでは解決にはなりません。というのも、保育士さんの数が足りないんですね。保育士の資格を持ちながら現場を離れた「潜在保育士」の数は全国で約80万人。離職した大きな理由は、賃金の低さと言われています。保育士の賃金は、35歳平均で月額21.9万円。全産業の平均は33.3万円ですから、かなり下回っています。安倍総理は4月に一億総活躍社会の一環として、保育士の賃金を2%、月額約6000円アップを宣言。潜在保育士をなんとか呼び戻そうと対策を立てています。保育所が足りないのは、近隣の反対により建てられないというケースもあります。「子供の声がうるさい」といったクレームも聞きますが、それだけではなく、道が狭くて、子供の送り迎えの車や自転車が来ると住民の移動ができないという切実な理由も。街づくりやインフラ面から抜本的に変えなければいけません。また、保育所開設の規制緩和も必要でしょうね。企業内に保育施設がもっと開設できれば助かりますよね。待機児童問題は、すぐには解決しないでしょう。これから就職や転職を考えている方は、育児休業のあるなしだけでなく、バリエーションをチェックしてみてください。1年フルに休めなくても、時短で働ける時期を長く取れる方がありがたい場合もあります。今から約100年前に母性保護論争が起きました。女性解放運動家の平塚らいてうは「子供を産み育てることは国のためでもあるから、国が保護するべき」と主張。対して歌人の与謝野晶子は「女性は男性にも国にもよりかかるべきじゃない。自立して稼ぎなさい」と意見しました。子育てのお金は、国か個人、どちらが出すべきなのか。子供は誰のものなのか?100年前の論争の答えはまだ出ていないんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月22日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月19日19日に最終回を迎えるTBS系ドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』(毎週日曜21:00~)の公式ツイッターで、主演を務める嵐・松本潤の人柄が伝わるエピソードが明かされ、話題を呼んでいる。公式ツイッターでは、「今日の潤様」と題して、頻繁に松本の撮影現場での様子を紹介。この日は、「明日撮影するクライマックスシーンの台詞について、どうするのがベストか、この1週間ずっとやり取りを重ねているのですが、先ほど『はい、これ』と一枚の紙を渡された。これまでやり取りして、手書きでたくさん書き込んだ台本を、PCで全部打ち直して台本形式にしたものだった」というエピソードを明かした。続けて、「『いろいろ考えて書き直したんだけど、手書きのものを見せるのも失礼かなと思って』とのこと」と説明。「誰よりも忙しく、誰よりも寝ていないのに、スタッフに対してさえこの気遣いをしてしまう、気遣いができるところが、松本潤である所以なんだなと、改めて思いました」とつづり、「うちの座長は素敵な人です」とたたえた。この投稿に、「さすが潤様」「やっぱり潤様ステキすぎ!!」「潤くんの人柄がにじみ出る素敵なエピソード」「涙が止まりません」「感動で涙が溢れます」「座長素敵すぎます…涙出てきた…」とファンは感動。また、「座長とスタッフさんがたくさん考えて作った最終回、すっごい楽しみです!!」「そんな考え抜いた最終回は正座してみないと!!」「どんなラストになるかワクワクしてます」と最終回への期待の声や、「ぜひセカンドシーズンを!」という声も寄せられている。(C)TBS
2016年06月15日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「タックスヘイブン」についてです。***タックスヘイブンとは日本語で「租税回避地」。税金を免除、またはとても低い税率にして、海外資本を獲得している国や地域のことを指します。ヨーロッパの小国、モナコ公国やサンマリノ共和国、カリブ海の英領ヴァージン諸島やケイマン諸島などが有名です。それらの国や地域が税率を下げるのは、もともと産業や鉱物資源がなく、税金をとる先がないからなんですね。海外企業を誘致できれば、雇用が生まれ、富裕層が集まれば消費が活発になり、その地域の利益につながります。企業にとってみれば、世界に展開するのに、本拠地をタックスヘイブンに登記し、収益を集約できれば、国によって税率が異なることを気にせず、円滑に取引が進められます。必ずしも誰しもが税金逃れのために使っているわけではないんです。ただ、麻薬や人身売買、テロ、政治家の汚職などのマネーロンダリング(資金洗浄。口座を転々とさせて、資金の出所を不明確にする)の温床になりやすいのも事実。北朝鮮やロシアなど、欧米諸国から経済制裁を受けている国のお金のやり取りに使われているともいわれています。4月に「パナマ文書」がニュースになりました。パナマの法律事務所から、タックスヘイブンを利用する企業の、過去40年分の膨大なデータが流出。それによると、約21万の企業の関係者リストのなかに、プーチンや習近平、アイスランドの首相など、国の要人も含まれていました。文書はドイツの新聞社と国際調査報道ジャーナリスト連合に送られ、現在詳しく調べている最中ですが、リストのデータベースは誰でも見られるよう5月にネット上で公開されました。タックスヘイブンに集められた企業の税逃れ額は、約500兆円あるとか。それらが国税として支払われれば、社会保障に使えますよね。日本では早い時期からタックスヘイブン対策税制を設け、法人税率20%以下の国に登記している会社は、国税庁に届け出ることになっており、国内の子会社から、相応の税がとられています。世界の格差問題につながるテーマ。今後、各国がどう対策をとるのか、要注目です。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月15日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月14日ショッピング・イベント「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト(VOGUE FASHION’S NIGHT OUT) 2017 神戸 in 大丸神戸店」が、2017年3月25日(土)に大丸神戸店および旧居留地エリアにて開催される。2009年からファッション業界の活性化を目的として世界各国で催されている「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト(FNO)」。日本ではこれまで東京と大阪を中心に毎年秋に開催され、その盛り上がりは年々熱を帯びてきている。神戸での開催、さらに春に開催されるのはFNO設立以降初めてのことだ。イベントは、大丸神戸店を中心に旧居留地エリアのショップで開催される。特別なアイテムやサービスが提供されるほか、スペシャルゲストに長谷川潤、 FNOサポーティングゲストにモデルの福士リナと水原佑果、 MCに宮迫博之といったラインナップ。ファッションやショッピングの楽しさを感じることのできる様々な企画が実施される。また、東京・大阪開催の時と同様に、東日本大震災の復興支援または地域貢献につながるチャリティグッズの販売も予定されている。【概要】ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト 2017 神戸 in 大丸神戸店日程:2017年3月25日(土)場所:大丸神戸店及び旧居留地エリア住所:大丸神戸神戸市中央区明石町40番地TEL:078-331-8121開催時間:オープニング・セレモニー:14:00、ショッピング・タイム:15:00~21:00、クロージング・セレモニー:20:00
2016年05月23日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「一億総活躍社会」についてです。***去年の10月に第3次安倍改造内閣が発足したときに内閣は「一億総活躍社会」というプランを掲げました。安倍政権の経済目標の一番大きい規模のものって、何だかわかりますか?それは2020年までに日本のGDPを600兆円に引き上げるというものです。現在、日本のGDPは500兆円前後。‘80年代の後半に400兆円の大台を突破し、約15年かけてやっと500兆円になりました。バブル期を含んだ成長ですから、今から4年で約100兆円を上げるというのは、簡単ではない数字なんですね。GDPを上げるには方法は2つ。移民に積極的に働いてもらうか、国内に眠っている労働力を掘り起こすか。安倍さんは保守派ですから、移民の受け入れにはあまり積極的ではありません。そこで、女性やお年寄り、障害のある方、難病の方などでも、働ける人を総動員して、国の経済成長を促したいと考えているんです。バブル崩壊後、リーマンショックの起きた2008年頃までは、働きたくても働き口がない、という状況でした。けれども今、日本は人手不足です。サービス産業、製造業、介護や医療の現場で働き手を求めています。「一億総活躍社会」は言い換えてみれば「一億総労働社会」。少子高齢化で、働く年代の人口が減っているのに歯止めをかけたいんですね。今後は定年も延び、年金の受給開始年齢も引き上げられるでしょう。ただ、見方を変えれば悪いことばかりではありません。家庭、地域、職場で個性を生かした多様な働き方を社会全体で支援する。男性女性、障害のあるなし、年齢に関係なく、皆がいきいきと働ける社会を目指すということ。これから日本の労働環境が大きく変わるのかもしれませんね。政府は緊急政策として、「希望出生率を1.8」「介護離職ゼロ」を掲げ、保育や介護のサービスの拡大を目指しています。今、日本では、働いても生活が楽にならないという貧困の問題がありますね。一億総動員はするものの、市場原理にのまれて、ただ安い賃金で働かされ、ちっとも暮らしが豊かにならない、というふうにならないことを祈りたいですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月18日より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月15日国民的新聞漫画『サザエさん』の生誕70周年を記念して4月28日から5月22日まで、作者である長谷川町子にフォーカスした「よりぬき長谷川町子展」が京都・美術館「えき」KYOTOで開催される。『サザエさん』を生み出した長谷川町子は、幼いころから絵の才能に恵まれ、14歳のとき田河水泡に弟子入りすると、翌年日本初の女性漫画家としてデビュー。これまでに普遍的なユーモアとそれを表現する卓越した画力で多くの人々を魅了してきた。同展では、長谷川町子美術館の全面協力のもと、昭和の文化史に残る長谷川町子の生涯と知られざる豊かな創作世界を全5章に分けて紹介する。第1章の「15歳の天才少女」では、『サザエさん』以前の仕事を紹介。デビュー作や戦時中の仕事、初めての新聞連載などを貴重な掲載紙やパネルなどで展示する。第2章「サザエさん登場!」では、厳選した原画100枚や掲載紙の複製、単行本などでその人気ぶりを紹介。第3章「いじわるばあさん」では、強烈な個性を持ちつつもどこか憎めない『いじわるばあさん』をはじめとした『サザエさん』以外の漫画作品を紹介する。続いて第4章の「町子の絵本」では、戦前からつながっている『動物絵本』や、漫画と連動した『サザエさん絵本』、『町子えほん』などといった絵本の原画を展示。第5章の「うちあけ話」では、町子とサザエさんが重ねあわせてイメージされることが多くなったことから書かれた自伝的な漫画入りエッセイ『サザエさんうちあけ話』などについて紹介される。また、会場では展覧会記念グッズも販売される予定だ。【イベント情報】「よりぬき長谷川町子展」会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区東塩小路町657会期:4月28日~5月22日時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)料金:一般800円、高大生600円、小中学生400円会期中無休
2016年04月23日「なぎさイメージガール発表&ビーチリゾート水着ショー」が1日、都内で行われ、"渚を楽しみ、守り、保って行く"というテーマで年間を通して発信し活動する、初代「なぎさイメージガール」にモデルの武田あやなが就任しお披露目された。今回の就任に武田は「すごく緊張しているんですけど、選んでいただけてすごく嬉しい気持ちと、不安な気持ちでいっぱいです」と心境を語り、「期待に応えられるように頑張って行きたいと思います」と意気込んだ。さらに、今後の目標を聞かれると「なぎさイメージガールとして、ビーチクリーン活動をしつつ、雑誌のモデル活動を中心に、タレント活動やお芝居など、モデル以外でも活躍できるように一生懸命頑張りたいです」と目を輝かせた。また、武田自身もなぎさが好きで、由比ヶ浜によく行くという。今年中に行きたい渚があるか聞かれると、「静岡の白浜に行ってみたいです。行ったことがないんですけど、すごくキレイと聞いているので、今年こそは行きたいですね」と願望を明かし、「マリンスポーツも好きで、バナナボートをやったり潜ったりすることが好きです」と笑顔を見せた。父親が熊本出身の日本人で、母親がフィリピン人という武田は「(ハーフに)見られないんですけど、一応ハーフです(笑)」と笑い、憧れている芸能人の存在を聞かれると「長谷川潤さんとローラさんです。天真爛漫で気品のある女性らしいところが、モデルとしても憧れています」と羨望の眼差し。好きな男性のタイプについては「芸能人で言うと山田孝之さんです。ワイルドな感じがすごく好きです」と告白した。ビーチリゾート水着ショーには、三愛水着楽園イメージガールの松元絵里花、東レキャンペーンガールの海老沼さくら、JSAキャンペーンガールの島田七実、ミスユニバース山形の砂田早紀とともに参加した武田は、T160、B78、W58、H80センチのスレンダーボディを惜しげもなく披露し、2016年新作水着を紹介した。
2016年04月01日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会の時間」。今回のテーマは「ブラック企業」。***ブラック企業とは、労働基準法に明らかに違反している会社のことを言います。残業の未払いや過重労働の末、不当に解雇されるとか、労災隠しなどなど。ただ実際には、たとえサービス残業が多くても、その分ボーナスの上乗せや、休日の優遇などのフォローがあったり、将来のキャリアアップにつながる場合は、働き手はブラック企業とは考えませんよね。問題なのは、そういうフォローが何もなく、働き手の未来を潰してしまうような企業です。最近はSNSなどの発達で、ブラック企業問題が明るみに出るようになりました。牛丼チェーンの『すき家』のように、それをきっかけに労働環境が改善されたケースもあります。『すき家』では、深夜に「ワンオペ(ワンオペレーション)」という、たった一人で仕入れから調理、接客までを行うシステムを導入し、24時間営業の店舗を広く展開しました。しかし、長時間トイレにも行けず、明らかな過重労働。深夜には強盗に入られるトラブルも多発。従業員のSNSでの悲鳴が世に広まり、株主らの忠告を受け、『すき家』はいくつかの店舗を閉め、深夜営業も制限しました。もしもあなたが、不当に過重労働を強いられている、労働基準法に大きく反していると思われたら、一人で抱え込まずに誰かに相談してください。会社内部の通報窓口も企業側にたっていて、あてにならない場合もないとは言い切れないので、第三者機関に相談することをお勧めします。会社に労働組合がない人のためのユニオンや、「派遣ユニオン」など正社員でない人のためのユニオンもあります。今は「ブラック企業大賞」が毎年発表されていますし、厚生労働省も長時間労働など、年に3回以上勧告をした大企業の名前は公表すると発表しました。企業もいきすぎると自分の首を絞めかねません。とはいえ、人件費を抑えて利益をあげようとするのが企業の常…。もしも、割に合わないと思うならば、心身を壊してしまう前に他を探したほうがよいでしょう。自分の将来につながるかどうか考えてみてください。幸い、今は人手不足。今いるところが全てではないはずです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月23日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年03月21日カゴメは3月17日、モデルの長谷川潤さんを招き、生鮮飲料「GREENS」の新アンバサダー就任式を開催。2児の母親でもある長谷川さんが、ハワイでの子育てについて語った。○子どもがうまれて「食生活」が変わった2011年に結婚し、現在はハワイ在住の長谷川さん。子どもがうまれてからは、特に食生活に気を配るようになったという。「もともと野菜が好きではなかったのですが、子どもができて、どんどん野菜が好きになってきました。というより、好きになるように努力をしています。子どもたちは私をまねするし、子どもは親の鏡だと思うので」とコメント。子どもには食べ物の好き嫌いもあるとのことだが、「食材の切り方を変えたりとか、好みそうな味つけにしたりとか、いろいろ挑戦しています。全然うまくいかないときもあるんですけどね」と笑顔で語ってくれた。ハワイにいるときは完全な"主婦の生活"を楽しんでいるという長谷川さんは、料理上手になるために日々努力を重ねているという。子どもたちが好きなメニューは意外にも「おにぎり」。日本の食材を販売しているスーパーに通い、日本食も楽しんでいるようだ。○家の中でも英才教育!?また子どもたちの教育についても、エピソードを披露してくれた。ハワイでのコミュニケーションは英語が主流だが、長谷川さんが子どもと話すときは「日本語」だけ。「家の中では英語禁止にしています。学校では英語を学ぶので、日本語が教えられるのは私だけだから」とのことで、「夫は中国語が話せるので、目指せ3カ国語ですね! 」と意気込んだ。ハワイで生活しながらも日本に対する思いは強く、「いつか子どもたちと日本で暮らす機会も作りたい」と話した長谷川さん。以前日本を訪れた時は、いちご狩りを楽しみ、旬のフルーツを家族で味わったそうだ。「ハワイは季節感があまりありません。今しか収穫できないいちごを食べるのは、いい経験になるかなと思いました。バクバクと食べていましたよ」と子どもたちの様子をうれしそうに語った。野菜中心の生活を送ることが美の秘訣(ひけつ)にもつながっていると話した長谷川さんは、子育てをしながらも週に2回はヨガに通っているという。2児の母とは思えないプロポーションと、周りを一瞬で明るくしてしまう笑顔が印象的な彼女のライフスタイルに今後も目が離せない。
2016年03月17日連続ドラマ史上初の刑事専門弁護士の巻き起こす痛快逆転劇を描くドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」。本作で、自身初の日曜劇場主演を務める「嵐」の松本潤の代表作「花より男子」が、この度、「春休み!!特別編集版」として放送決定!毎放送後には、「99.9-刑事専門弁護士-」の特別映像に加え、キャスト陣に直撃する現場レポートが放送されるという。探偵役や料理人役、御曹司役など様々な役どころを演じてきた松本さんが、自らが納得するまでとことん追及する超型破りな若手弁護士・深山大翔役を演じる本作。共演者には、深山とひょんなことからチームを組むことになる弁護士・佐田篤弘役の香川照之と、佐田同様に深山とチームを組むことになる立花彩乃役の榮倉奈々、そのほか「相棒」シリーズの岸部一徳、「龍馬伝」「平清盛」の青木崇高、多方面で活躍する奥田瑛二、片桐仁、マギー、渡辺真起子ら豪華俳優陣が名を連ねる。この度、初弁護士役に挑戦することで注目を集める松本さんの代表作ドラマのひとつ「花より男子」&「花より男子2(リターンズ)」が、「春休み!!特別編集版」として放送されることが決定。「花より男子」は、少女漫画誌「マーガレット」(講談社)にて連載された神尾葉子氏による人気コミック。超お金持ち名門高校に通う主人公の貧乏少女が、学園を牛耳る御曹司4人組「F4」とぶつかり合い、様々なトラブルに巻き込まれながらも、持ち前の明るさと雑草魂でたくましく生きていく姿が描かれた痛快青春ラブストーリーだ。2005年、松本さんをはじめ、いまや大河ドラマ「花燃ゆ」で主演を務め上げる井上真央や小栗旬、松田翔太、阿部力ら若手俳優たちを迎えて実写化ドラマ化。シーズン2、劇場版まで制作され人気を博した。今回の特別編集版では、2005年10月期放送「花より男子」を、3月12日(土)14時~、13日(日)15時~、19日(土)15時~、20日(日)15時~の4回に渡り放送。2007年1月期放送「花より男子2(リターンズ)」を、4月2日(土)16時~、3日(日)16時~、9日(土)14時~、16日(土)16時~、17日(日)14時~の5回に渡り放送される。また、放送の最後には、4月17日(日)21時からスタートする日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」の特別映像や、主演・松本さんが共演者たちに直撃する現場レポートを、放送日ごとに異なるバリエーションで放送することも決定。名作ドラマと、期待度MAXの最新ドラマの特別映像を一気に堪能できることになりそうだ。日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」は4月17日(日)21時よりTBS系にて放送。「『花より男子』春休み!!特別編集版」は3月12日(土)から4月17日(日)まで、土・日曜の午後帯にて放送。(text:cinemacafe.net)
2016年03月10日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「人工知能(AI)」です。***人間の知能的な働き、学習、推測、判断などをコンピューターが行う人工知能。身近なところでは、googleやFacebook、iOSのSiriなどで、次の行動を予測し、興味のありそうな情報をあげて提案するというのは、AIの技術によるものです。コンピューターが大容量を計算できるようになったため、過去のデータを蓄積し、それを瞬時に計算・分析。データ量が多いほど、より正確な予測が可能になります。私たちがGoogleやFBを無料で使えるのも、代わりに、検索結果や写真などの大量の情報をAIに与えて、より賢くなるよう、トレーニングし続けているからなんですね。株取引でも、プロの投資家が儲け続けられるのは、株の値動きをAIが判断して、的確な売り買いをしているからなんですよ。人工知能の発達は予想以上に早く、「人工知能が人を追い抜いて、支配する世界が来るかもしれない」とスティーブン・ホーキング博士は警鐘を鳴らしています。ビル・ゲイツさんも昨年取材した時に「医療、医薬品の開発には極めて有効に働くだろう。でも、労働部門では多くの仕事が失われることになるので、対策をしないと取り返しがつかなくなる」と話していました。オックスフォード大学でAIを研究するマイケル・A・オズボーン准教授は、702の業種について将来どれだけ自動化されるかを調べたんです。すると10~20年の間に、アメリカの総雇用者の47%が自動化されるリスクがあると、衝撃的な発表をしました。今後、電話オペレーターや保険の審査、レジ、ホテルの受付、薬を処方するなどの簡単な医療サービスはとって代わられるでしょう。介護の現場でも、感情に左右される人間よりも、献身的に働くAI搭載のロボットの方がよいという説があります。また、過去の判例を分析すれば弁護士や検事もAI化が可能に。軍事ロボットも開発されていますし、今後はAIを使う側の倫理観が問われますね。将来、機械に仕事を奪われる不安に怯えるのではなく、じゃあ、人にしかできないことは何だろう?と考えることが、新しい価値を生むチャンスになるかもしれません。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月9日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
2016年03月02日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「GDP」です。* **この連載でも頻繁に出てくるGDP。正式名称は「Gross Domestic Product」で、国内総生産と訳されます。国内で、一定期間内に新たに生み出された商品やサービスの付加価値の合計を指し、経済成長を測る指標になります。りんご農園にたとえると、初年度の収穫が50個だった。翌年、ビニールハウスを作り100個に増やした。するとGDPは2倍ということ。収穫の半分をジャムにして、りんごのまま売るより利益をさらに上げたら、その分GDPに反映されます。何の工夫もせずに同じ個数しか収穫できなかった場合は、経済成長ゼロとなるのです。GDPには名目GDPと実質GDPがあり、物価の変動を反映させたものが実質GDP。GDPが2期連続して下がると、景気後退と判定されます。現在、世界のGDP1位はアメリカ。2位が中国、日本は3位。日本はずっとベスト3に入る経済大国でした。ただし、これは国全体の話。日本の1人当たりの名目GDPは、3万6000ドルで前年比6%減少。1996年には主要国中3位でしたが、2000年代から下がり続けて現在20位。上位にはルクセンブルクやノルウェー、スイスが入っています。資源を持っていたり、金融サービスに長けていると上位に入りやすい。ちなみにアメリカは7位。シェールガスを持っていますし、莫大な利益を生む新しい金融商品も開発しています。政府が規制緩和をして、新しい産業が生まれやすくしていることも功を奏していますね。対して日本は、開発できる資源には限りがあり、広い意味でのサービス業が中心です。デフレだと、サービス業全体が安価競争になり、懸命に働いても得られる利益が少ない。また、GDPはドル計算なので、円安も不利になっています。国の経済成長を促すには、個々の変革も大切です。あなたは前年に比べ、新しい付加価値を生む何かをしましたか?収入の一部を使って英会話学校に行くことが、転職時に役立って高いお給料をもらえようになるかもしれません。投資信託を始めるでも何でもいいんです。未来のための自己投資が、経済の成長につながるかもしれません。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年02月27日ラグ&ボーンのデニムライン「ラグ&ボーン/ジーン(rag&bone/JEAN)」が展開するオンラインキャンペーン「D.I.Y Project」の2016年第1弾にモデルの長谷川潤が登場する。2011年にスタートした同プロジェクトは、モデル達にカメラと服を入れたバッグを渡し、ヘアメイクからスタイリングまで彼女達自身がクリエイティブディレクターとなり、自由にセルフプロデュースして作品を作ってもらうというもの。これまでにはミランダ・カー、カロリナ・クルコヴァ、カミーユ・ロウ、キャロライン・マーフィ、ジョーダン・ダンなどのモデルが参加しており、普段は見ることのできない“素”の表情をのぞかせた。今回登場した長谷川は現在、出身地であるハワイに拠点を移している。撮影は長谷川の地元であるハワイで行われ、友人であるカメラマンの竹内裕二が撮影を担当した。写真の中で長谷川は、まるで子どもの頃に戻ったかのようにハワイの大自然を裸足で無邪気に走り回っている。長谷川が着用したのは「Crop Straight Leg (Belgrave)」(2万9,000円)、「Tomboy (Sunderland)」(2万7,000円)、「Barcelona Tunic (Black)」(3万1,000円)、「Jean Jacket (Worn Blue)」(3万9,000円)。長谷川は「自分の家と呼べる場所で撮影することが一番自分の本当の姿を表現できると思いました」とコメントしている。
2016年01月24日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「日米同盟」です。* **日米同盟とは、日本とアメリカの同盟関係のこと。日米安全保障条約が基本になっています。日米同盟の歴史は、第二次世界大戦にまで遡ります。日本は戦争に負けたあと連合国軍のGHQに占領されました。そして1951年にサンフランシスコ平和条約が結ばれ、民主主義国家として主権を回復します。そのとき、日本軍を再編するかどうかが問題になったのですが、GHQのマッカーサーが許可しませんでした。日本が軍隊を作らないかわりにアメリカ軍が日本を守ることになり、他国の軍隊は撤退。このとき、「日米安全保障条約」が結ばれました。ところがそれは、米軍が日本を治めるという不平等な内容だったんですね。その後、本来の主権を取り戻そうと、’60年に改定。「日米地位協定」が結ばれました。集団的自衛権を使って、引き続きアメリカ軍は日本を守る。そのかわり日本は米軍に土地を無料で提供する。しかも、基地内の事件を日本の司法は裁くことができません。これも不公平と、反米、反戦運動がさかんになりました。学生のデモ隊と警官が衝突する「安保闘争」のニュース映像はみなさんもご覧になったことがあるでしょう。その後アメリカは何度か軍の撤退を匂わせたんですが、実は撤退してほしくない事情が日本にはあった。というのも米軍がいるおかげで、日本は防衛費をかけずに経済成長に集中できたんですね。また、米軍が日本にいるということでロシア(旧ソビエト)や中国、北朝鮮など周辺諸国に対して抑止力になっていました。’78年からは通称「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)として、日本に駐留する米軍の経費の一部を日本が持つという気遣いもはじめました。戦後70年たってもアメリカの傘下にあり、強く言えない立場のままでいいのか、という意見もあります。でも、日米関係を本当にフェアにしようとしたら日本は軍隊を持ち、危険にさらされながら自分で身を守らなければいけなくなります。少ない財政のなかから、それだけの軍事費を何を削って捻出すればいいのか?日米同盟は、「日本を誰が守るか」という問題に直結する、いままさに転換期にきているんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年12月9日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年12月07日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「混合診療」です。* * *来年の春から、混合診療が解禁になります。混合診療とは、みなさんが通常病院で受けている「保険診療」と、保険外の自費でなされる「自由診療」を合わせた名称。今後、希望者は保険診療のほかに自由診療も受けられることになり、公式には「患者申出療養制度」と呼ばれています。これまで日本は、自由診療を禁じてきました。自由診療を認めてしまうと、お金持ちの人はいくらでも高い料金を払って医療を受けようとする。すると、病院側も儲かるほうにシフトして、お金のない人が十分な医療を受けられなくなってしまう。お金がないために助かる命が助からなくなる、そんな命の格差が生まれるのを避けようと、認めてこなかったのです。収入に関係なく、誰もが同じような医療サービスを受けられるようにしていました。唯一の例外は、歯科医療。歯医者さんで詰め物をするときに聞かれませんか?「保険なら◯○円ですが、保険外のインプラントなら◯万円です。どちらを選びますか?」と。自由診療では金額は基本、病院の言い値ですから、病院によっても値段は変わります。これまでは薬も、厚生労働省の厳しい基準をクリアしたものしか使えませんでした。ところが患者申出療養制度の導入によって、厚生労働省が承認していない薬も、今後は使えるようになります。難病の人やガン患者にとっては嬉しいニュース。混合診療に門戸が開かれるようになったのは、安倍政権の成長戦略の一環です。規制を緩和することによって、製薬メーカーは新しい薬を次々に売り出せるようになります。国立がんセンターの調べでは、来年に投入できる抗がん剤は42剤。大半は、1か月あたり100万円を超える薬剤費が自己負担になるだろうとのことです。従来の医療は国のお墨付きがありましたが、自由診療になれば患者は医師を信じるしかありません。万一、医師が製薬会社や医療機器会社と癒着して法外な医療費を請求しても、患者には判断できない。TPP協定が結ばれれば、海外の製薬会社の薬もさらに入ってくるでしょう。医療の選択肢は広がりますが、リスクも否めないんですね◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年12月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年12月01日『劇場版 MOZU』ヒット御礼舞台あいさつが11月18日に都内劇場で開催され、主演の西島秀俊をはじめ、共演の長谷川博己、羽住英一郎監督が登壇した。ヒット御礼舞台あいさつ/その他の写真TBSとWOWOWの共同製作で2シーズンにわたり放送された人気サスペンスシリーズの待望の劇場版にして完結編。シリーズを通じて謎の存在とされてきた“ダルマ”の正体が明らかになると共に、全ての謎に決着がつけられる。今回の『劇場版 MOZU』のプロモーションで、長谷川が舞台あいさつに立つのは初めて。西島は長谷川を「TVシリーズからの戦友」と語り、揃っての登壇を「本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。長谷川はノリノリで、自身が演じた東が発する「チャオ!」というセリフで挨拶し会場をわかせる。これには西島も「いきなり“生”チャオを見られると思ってなかったので感動しちゃった(笑)」と大喜び! ちなみにこの東の「チャオ」に関して、長谷川はその誕生の秘話を告白。「池松(壮亮)さんとのシーンで、車に乗って東が去っていくシーンですが、リハーサルが終わった後に監督が『ここは最後に東の狂気を見せてください』と仰って、すぐに『よーい、スタート!』となったんです。どうしよう? 何を言ったらいいのか? と思ったら、車がイタリア車のマセラティだったので『チャオ!』と言いました」ととっさにイタリア車を目にして生まれたアドリブであったと明かし、場内は驚きに包まれた。今回の映画でも、西島は長谷川の狂気じみた芝居を目の当たりにして驚いたよう。特にカーアクションのシーンに触れ「結構、危ないんですが、あんなふざけたことをやってる!」と語り、長谷川は慌てて「ふざけてるわけじゃなくて、演技は真面目にやってます!」と苦笑交じりに訴えていた。TVシリーズから2年以上にわたった『MOZU』シリーズも完結となり、この舞台あいさつが最後のプロモーションとなるが、羽住監督は改めて西島に「文字通り、体を張って満身創痍で演じ切ってくれました。おつかれさまでした」とねぎらいの言葉を掛ける。西島は「『MOZU』という作品は観客のみなさんに育てていただいた作品です。みなさんが見て育ててくださったから、これだけ充実した作品になりました」とファンへの感謝の言葉を口にし、最後に深々と客席に頭を下げた。『劇場版 MOZU』公開中
2015年11月18日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「憲法」です。***11月3日の文化の日は、70年前に日本国憲法が公布された日です。ところでみなさんは「憲法」と「法律」の違いはわかりますか?「憲法」とは国家をしばるもの、国民をしばるものが「法律」です。「国民の人権を尊重すること」「誰もが等しく教育を受けられる権利を与えること」など、国家権力が国民に対して何をするべきかを定めたものが憲法。一方、窃盗を禁じたり(刑法)、遺産の分配を決めたり(民法)など、国民が守らなければいけないルールが法律です。憲法は国家をしばるものですから、強大な力を持っています。憲法を変えるというのは大変なこと。改変の手続きは国によりますが、日本の場合、衆議院、参議院の3分の2以上による可決と、国民投票で過半数の賛成がないと、改憲できません。日本は制定以来一度も憲法を変えていません。たとえばドイツでは59回改憲が行われました。EUに参加したり、東西ドイツが統一したりと国に大きな変化があったので、対応する必要があった。時代に合わせてその都度改正をしてきましたが、骨格は変わっていません。自由民主党は結党以来60年間、改憲を訴えてきました。来年の参議院選挙の後には憲法改正にとりかかると安倍総理は公言しています。いま、戦争の放棄をうたう憲法9条の改憲問題に注目が集まっていますが、僕は12条も要注意だと思っています。12条には、国民の自由と権利が侵されないように国民は「不断の努力」をしなければならず、濫用してはいけないこと。また、「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と書かれています。「公共の福祉」とは、Aさんの自由をBさんも保障する義務がある。公の利益のために個人が犠牲になるのではなく、国民が互いに目を光らせて、個々の自由や権利が奪われないようにしましょうという意味です。自民党の改正案にこの言葉はなく、「公益及び公の秩序に反してはならない」となっています。主体が国になりますから、意味は大きく変わりますね。憲法は私たちにとってとても重要。次の参議院選は、今後の憲法を左右しますから、じっくり考えて投票しましょう。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年11月11日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年11月04日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「中国経済」です。***中国のバブルがついに崩壊したのか、と騒がれています。バブルとは、過剰に資金が市場にあふれ、実際のモノの価値を上回り、お金がお金を呼ぶ状態をいいます。たとえば100円のペットボトルの水が、300円でも買う人が出てきて、やがて600円で転売されるというような、正当な価値を越え高額で取引されてしまうのです。中国のバブルはこの10年くらい。まず、不動産バブルが起き、過剰な土地開発がなされるようになりました。昨年春ごろから不動産の値崩れが始まり、やがてお金は不動産から株の投資に回されました。上海の株式市場は時価総額500兆~600兆円規模の取引、1071社が上場し、東京証券取引所を大きく上回る規模になっています。株は儲かる、という話は中国の農村部まで広がりました。中国では、借金をして株取引ができるので、自分の持つ以上のお金を投資に回す個人投資家が倍増。短期間に大きな利益を得ようと賭博のような投資が増え、株相場の動きが極度に激しくなりました。普通、為替レートは市場で決まり、故意にコントロールはできません。ただ、極度な円高や円安になると市場全体が不安定になるので、国際協調策として、国が介入し、自国の通貨を買い上げることがあります。ただその場合も自由勝手にできるわけではなく、主要関係国に事前に打診をしてから行います。国際通貨である円、ドル、ユーロ、ポンドはその手続きを踏みますが、中国は国際市場から切り離されているので、中国政府が勝手にレートを決めてしまうんです。ニュースで出てきた「人民元切り下げ」というのは、中国政府が操作をして元安にしたということ。元安になれば、中国の輸出産業が儲かります。中国は共産主義なので、国の操作も多く、実態は不透明。やがて中国経済に破綻が起き、リーマンショックのときのように、世界経済に波紋を及ぼすのでは、と投資家たちは疑心暗鬼になっています。でも、中国国内だけの問題にとどまるだろうという意見もあります。国際市場が不安定になると、安定している円を買う人が増えるので、自然と円高に。すると日本の輸出産業は損をしてしまうんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年11月4日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年11月02日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「オリンピック」です。* **まもなく体育の日。体育の日は、1964年東京オリンピックの開会式が開かれたことにちなみ、国民の祝日となりました。5年後に再び開催される東京オリンピック、パラリンピック。残念ながら、新国立競技場やエンブレムデザインなど、トラブルが続きましたね。そういうことが起きるようになったのも、オリンピックに大きくお金が絡むようになったからなんです。近代オリンピックは、古代ギリシャ・オリンピアの精神を引き継いで、19世紀に復活したアマチュアスポーツの祭典。国家や人種の違いを超え、スポーツを通じて多様性を認め合うという高い理念を掲げています。それがやがて、国の威力をアピールする「国威発揚」を目的に使われていきました。最たる例が、ナチスドイツの行ったベルリン五輪。定番の「聖火リレー」は、この時に始まったんです。そして、年々演出が華やかになっていきました。昔は、開催資金はすべて開催国が負担することになっていて、モントリオール五輪では、10億ドル(当時のレートで約3000億円)の大赤字に。小さな国では開催ができなくなってしまうので、民間スポンサーをつけてよいことになり、’84年のロサンゼルス五輪からは1業種1社のみに絞るシステムになりました。すると広告料が競り上がり、テレビの放映権も高額に。ここから商業ベースにのったオリンピックがスタートしたんです。2020年の東京五輪も、既存の施設を使うとはじめは打ち出していたのに、これを機に景気回復に拍車をかけようという流れに変更。白紙になったザハ案の競技場の予算2500億円は、過去に開催された競技場代の4大会分にまで達していたんですよ。オリンピックに比べ、パラリンピックの報道はまだ少ないですね。でも、いまパラリンピックが熱い!義手や義足などの器具が発達し、オリンピックと差異ない記録が出始めています。「多様性を認める」という理念を掲げるなら、健常者と一緒になって戦える、オリンピック・パラリンピックの混合競技を作るとか、東京オリンピック発信で、新しい価値観を提案できたらいいと思いませんか?◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年10月14日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年10月13日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「ドローン」です。***総理官邸の屋上で発見されたり、テレビ局のドローンがイギリス大使館に落下したり、善光寺ご開帳のときに15歳の少年が飛ばして落下させたなど、ドローンに関するニュースが立て続けに流れました。「ドローン」とは、無人航空機、マルチコプターのこと。ラジコンのように操作をし、高度なものはGPSを複数搭載していて、位置を指定すれば、自分で目的地を測定して向かうことができます。ただ、風にあおられやすいのが弱点。事件が続いたあと、一気に規制が始まりました。現在は、周辺重要地域、住宅密集地で飛ばすことは禁止されていますし、都の条例では公園での飛行禁止、実質東京23区内では飛ばすことはできません。もともと日本はドローン大国なんですよ。山間部の農地など、狭くて人が行きづらい場所で農薬をまくのによく使われています。いま、ドローンは撮影や測定など、「目」の役割を主に担っていますが、やがては「手足」、モノを掴んだり、作業するのに使われるようになるだろうといわれています。たとえば、火山の、ガスまみれで人が入れない火口の砂を入手して、噴火の具合を調べるというようなことに使われるでしょう。ブラジルやインドネシアでは、輸送に使うことを検討中です。アマゾンの森林を切り開いたり、インドネシアの島々に橋をかけるなど、大掛かりなインフラ整備はコストも時間もかかり環境破壊にもつながり、実現が難しいのですが、ドローンでモノを運べるようになれば便利ですよね。現在、ドローンの操作に免許はいりません。誰でも自由に購入できますが、届け出制にすることも検討されています。今後の課題は空の交通整理を誰がするのかということ。飛行機には国際的な航空法があり、管制官が管理していますが、ドローンの飛行を整理する方法はいまのところありません。OK Goの「I Won’t Let You Down」のMVをご覧になったことはありますか?原野守弘さんがディレクションした作品で、ドローンを使った一発撮りなんです。こんなふうな豊かな使い方もあるのかと衝撃を受けますよ。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年10月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年10月03日右手に指輪をする夫
兄の連れてきた婚約者は…
いきすぎた自然派ママがこわい