モデルルームも兼ねた30坪の家陰影のある、静かな大人の空間で暮らす
また、床に北海道のナラ材、2階の中心近くに立つ柱をヒノキ材にするなど黒羽さんの希望によって材が選択された。
開口の開け方をコントロールして生まれた陰影が空間に奥行きをもたらす。右の畳スペースはセパレートして移動することもできる。上部のスチール材は横に開こうとする登り梁を留めるためのもの。
たっぷり幅を取ったキッチン。パーティなどの際には料理を盛ったお皿を並べセルフサービスで取ってもらうことも。
障子を閉めると空間に柔らかな光が回って和の雰囲気が強まる。
傍島浩美さんデザインによる家具がシンプルで落ち着きのある空間にとてもフィットしている。
奥行きと場所をつくる
黒羽邸の空間には考え抜かれたプロポーションとともに空間の明るさ/暗さにも特徴がある。一般的な住宅よりも明るさを抑えた空間の中に開口からの光で場所/領域をつくっているのだ。こうして空間に明るさのメリハリをつくり出すことで奥行き感も生まれている。
場所の明るさの違いも意図的につくり出されている。たとえば2階のダイニング近くには大きめの開口によって比較的広範囲に明るさが確保されているのに比べて、リビングのスペースは近くの開口も小さくやや暗めの印象。