『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』ネイサン・イングランダー新潮クレスト・ブックス
普段本を読むことがあっても、日本の作品がメインになることが多いのでは。海外にも名作があるのは知ってるんだけど、なかなか手が伸びない、読んでも挫折する…。そんな人におすすめなのが、短編小説。 「新潮クレスト・ブックス」創刊者である松家仁之さんに教わりながら、入門にぴったりの短編集をご紹介します。 あたり前のことですが、日本と同じように、世界中で名作が生まれ続けています。 近年とりわけ注目されているのは、“移民系”の作家たちです。やはり層が厚いのは英語圏の国々ですが、両親が身につけた言語や文化から遠く離れて育てられた作家たちの仕事が、文学の世界に刺激を与えています。その代表と言っていいインド系のジュンパ・ラヒリの作品を含め、現代の海外文学を一冊で眺め渡したい人には、『記憶に残っていること』がおすすめです。
長編ではなかなかできない挑戦を、作家たちは短編小説で楽しみます。 例えば、男の子にキスをして、そのまま飲み込んで体内で飼ってしまうような“変”な恋愛小説を集めた『変愛小説集』や、自己啓発本の独特の文体でロマンスを描く『セルフ・ヘルプ』など…。