2018年10月2日 07:00
光石研「漣さんの“魂”が映ってる」 大杉漣プロデュース映画がスゴイ
漣さんの教誨師の役は、6人の死刑囚と対峙しなければいけないから、本当に大変だった。なのに、巨木のようにどしっとそこにいてくださって、こちらがどんな芝居をしようとも、包み込んでくれました」
互いに勝手知ったる名役者同士。撮影は当初の予定より大幅に巻いて終わったそう。
「漣さんと読み合わせをしていたら、『どんどんカメラ回していこう』となって、ダダダッと撮りました。それができたのも『バイプレ』で過ごした濃密な時間があったからこそだと思います。フレキシブルに対応してくれた佐向組のスタッフのみなさんにもすごく感謝しています。やっぱり、漣さんを思うと、『バイプレ』での合宿のような生活が甦るんですよ。毎晩一緒にごはん食べて、『じゃあね』って隣の部屋に帰って、翌朝からまた『暑い』だの愚痴を言い合いながら(笑)、撮影していた日々が」
本作が生と死を描いていること、大杉さんの初プロデュース作であること。
それらの事実と、その死に関係はない。けれど、この作品を観た時、何か見えない結びつきのようなものを感じずにはいられない。
「僕の考えでは、映画というのは、カメラに映ったものがすべて。役者は基本的には脚本に書かれていることをやるだけだし、役者の想いのようなものは、映りっこないと思っています。