くらし情報『バリキャリ女性と良き妻…27歳の本音が胸に刺さる小説とは』

2018年10月28日 18:30

バリキャリ女性と良き妻…27歳の本音が胸に刺さる小説とは

リケジョと主婦という分かりやすい対照性を出しつつ、ステレオタイプにしていないのが本作の美点。

「バリキャリの志穂子にも怖いものはあるし、女の子らしい杏梨の中にも気が強い部分もある。その人の中の揺らぎやグラデーションは書きたかった。そうした本人のオリジナルな性格は本人が折り合いをつけるしかない。他人がジャッジしていいものではないと思うんです。ただ、私自身も、無自覚に人をジャッジするような言葉を言っているかもしれません。自分の中の加害者性を意識して気を付けなくてはと思います」

二人の関係だけでなく、それぞれの母親との関係など、周囲の人間模様もリアル。さらに志穂子が恩師の女性に強烈な一言を言われる場面も。


「誰かをロールモデルにして生きるのは、“この人を真似していれば大丈夫”と、自分の頭で考えることを放棄している気がする。自分の生き方は自分で考えないといけないし、傷つかないといけないですよね」
志穂子と杏梨の本音の数々、きっと胸に刺さるはずです。
バリキャリ女性と良き妻…27歳の本音が胸に刺さる小説とは


いとう・あかり1986年生まれ。静岡県出身。2015年「変わらざる喜び」で太宰治賞を受賞、同作を改題した『名前も呼べない』を刊行して小説家デビュー。

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