くらし情報『5歳児だって生きるのは辛い…大人にこそ響く、能町みね子の初・私小説』

2019年1月24日 18:30

5歳児だって生きるのは辛い…大人にこそ響く、能町みね子の初・私小説

「5歳児の自我はまだ、人と自分を比べて劣っている部分を恥ずかしく思ったりする前の段階。失敗しても、周囲の子たちもまだ注意力散漫なので、気を付けていればしつこくいじめられたりしませんでしたし」

他人に関心がないわけでもない。超然とした子が気になったり、あっけらかんとした子と友達めいた仲になったり…。やがて来る卒園の日、なつきが抱く感覚に、ぐっとくる。

「人生ではじめての、人と別れるという体験だったんですよね。その時に自分がああいう気持ちになったことにも、びっくりしました」

5歳にだって不安や不満も、自尊心だってあるのだと実感させる本作。

「“共感した”という感想も多くて、結構みんな共通の部分があるんだなと思いました。あの頃の、大人はなんでこんなに子ども扱いするんだという感覚はいまだに残っていて。
今、自分が小さい子に話しかける時には一人の人間として接していますね」

子どもの人格をもっと尊重したくなる作品でもあるのだ。
5歳児だって生きるのは辛い…大人にこそ響く、能町みね子の初・私小説
のうまち・みねこ1979年、北海道生まれ、茨城県育ち。文筆業、自称漫画家。2006年『オカマだけどOLやってます。』でデビュー。著書に『文字通り激震が走りました』『雑誌の人格』など。

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