くらし情報『恋愛、結婚、出産はセットじゃない…川上未映子の最新刊『夏物語』』

2019年9月17日 19:30

恋愛、結婚、出産はセットじゃない…川上未映子の最新刊『夏物語』

「恋愛、結婚、出産ってセットのように思われているけれど、本当はバラですよね。なのにセットにするからややこしいことになる」

と、川上未映子さん。新作『夏物語』は女性の生き方、そして生命について真摯に向き合った長編。芥川賞受賞作『乳と卵』の登場人物たちに再び会える一作でもある。
恋愛、結婚、出産はセットじゃない…川上未映子の最新刊『夏物語』


「女の人って子どもの頃からいつかお母さんになると意識づけられる。でも今は昔のように何歳くらいで結婚して何歳で親になってというモデルもなくなっている。これまで当たり前とされてきたものでも自分で考え直さないといけない。選択と決断の連続ですよね」

38歳の小説家、夏子は独身だが「自分の子どもに会いたい」という思いを抱く。
しかし彼女は恋愛をしたいわけじゃない。

「自分の子どもを持ちたいだけなのに、誰かのことを好きにならないといけないの?セックスしないといけないの?という問題がある。男の人のことを重要視していない女性や、女らしさに自分を預けていない人は母親になれないの?と思います。夏子なんて裕福でもないし、親になれる条件は一個もない。子どもを持ちたいという時に、何を足場に決断していいのか、というのはありますよね。そうしたなかで夏子は、望みをどうにか実現しようと、逡巡し、葛藤しながら成長していく」

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