くらし情報『ゾクゾクする! “色っぽい”作品6冊をじっくり読んでみたい』

2020年3月31日 21:00

ゾクゾクする! “色っぽい”作品6冊をじっくり読んでみたい

夢や秘密を打ち明ける。その密やかさが官能的。
ゾクゾクする! “色っぽい”作品6冊をじっくり読んでみたい


『囚われの島』谷崎由依 著¥1,600/河出書房新社
バーで出会った盲目の調律師に魅入られ、主人公の女性新聞記者・由良は彼の部屋へ通う。二人は同じ島の夢を見ていることがわかるが、調律師はその夢に怯えており…。「調律師が語る夢の話を由良が聞くシーンが色っぽい。秘密や夢うつつの昔話、彼が恐れているイメージに二人が共鳴していく雰囲気にゾクゾクします。蚕をめぐる歴史や蚕の生殖の特殊性などが性的なメタファーにもなっていて、何かが起きそうな不穏な空気に酔うような読み心地です」

死と隣り合わせの日記には繊細で危うい色気が宿る。

ゾクゾクする! “色っぽい”作品6冊をじっくり読んでみたい


『八本脚の蝶』二階堂奥歯 著¥1,200/河出文庫
25歳の若さで命を絶った女性編集者が死の直前まで綴った日記と、生前親しかった13人の文章を収録した一冊。「悩んだり葛藤したり、日記の中の彼女は内省を深め自分を追い詰めていきます。完璧主義で繊細で、危うさに満ちた文章からは、自己のあり方に煩悶する、孤独で繊細なたましいの気高さを感じます。彼女は猛烈な読書家だったので、さまざまな本から引用がなされているのですが、特に死生観にまつわる抜き出しや執筆部分が、エロティックです」

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