2020年9月21日 20:00
『逃げ恥』『MIU404』も! 脚本家・野木亜紀子のセリフが現代人に刺さる理由
そのひと言によって、見ている日本の女性たちにも、“自分が思うままに生きてこられなかったのではないか”“これでいいんだろうか”と気づかせたのではないでしょうか。また同じ年の春のドラマ『アンナチュラル』は、殺伐とした日常の中でも“食べること”が随所に描かれるのですが、“食事”が、主人公・ミコト(石原さとみ)の絶望を救う小さな鍵になっている。なんでもないシーンなんですけど、妙に刺さるんです。これら3作の脚本からもわかるように、野木さんのセリフには、懸命に生きているのにままならない自分たちや、弱い立場の人たちへの眼差しが、確実にある。そこが、いま多くの人の心に響く大きな理由ではないでしょうか」
絶望してる暇あったら、美味いもん食べて寝るかな
『アンナチュラル』(2018年)
法医解剖医のミコトを中心に、UDIラボで不自然な死を解明していくドラマ。このセリフは第2話、ラボのメンバーである夕子(市川実日子)に「絶望しないのか?」と問いかけられたときの、ミコトのセリフ。悟ったような諦めたような表情が印象的。
私たち、誰の人生を生きてきたんだろうね
『獣になれない私たち』(2018年)
第7話、部屋に転がり込んできた朱里と、晶が夜中に語り合うシーン。