2020年9月26日 20:00
伊藤沙莉「タヌキ側に属する私にしかできない」 オファー殺到の理由は?
カノウのいじらしかったり、不器用だったり、人間っぽい魅力を引き出せるのは、同じタヌキ側に属する私にしかできないと思いました」
自分をタヌキ側の人間だと堂々と宣言できるって、なかなかできないこと。
「小学校高学年くらいの時には、自分の身の程は知っていました。小学4年生の時がモテ期のピークだったんですが、それ以降、パタリとモテなくなったので(笑)。本来ならばもっと早く気づくべきだったんですが、末っ子で甘やかされて育ったので、時間がかかった。でもタヌキ側だからといって卑下していません。タヌキのヒロインって、突き詰めれば突き詰めるほど、ウサギのヒロインよりかわいく見える時があるんです」
伊藤さんが演じると、ごくごく普通の役も、たちまち光り輝き、印象的な人物になる。それは、持ち味でもあるハスキーボイスを生かし、喜怒哀楽をチャーミングに爆発させたり、メランコリックな表情で、心の機微を静かに見せたり、感情表現が実に巧みだからだろう。大胆さと繊細さを兼ね備え、親しみやすさの中にブレない芯の強さが垣間見えるからこそ、彼女の演技に惹きつけられ、演技派女優としても高い評価を得ている。
「演技派とか言われますが、ぶっちゃけ派って自分にはよくわからない。