2020年11月19日 19:00
AV女優&作家の鈴木涼美「“エロい女性”は記憶に残らない」の真意は?
変化を見せる、2020年代の色香論。語ってくれたのは、作家の鈴木涼美さん。色香とは、人を惹きつけ、魅了する力のこと。それは人と人とのコミュニケーションの中に生まれ、存在するものだ、と鈴木さんは語ります。
“弱さや未熟が色香”の時代は終焉。会えない世界でその概念は変化する。
「色香を感じる第一歩は、“記憶に残る人であること”だと思うんです。下品な喩えですが、例えば、かつてはエロ本、今だとエロ動画などを見て男性は自慰行為をするわけですが、そこで目にした“エロい女性”が記憶に残るかといったら、たぶん残らないでしょう。
それはたぶん、“記号としてのエロ”であり、即物的なもの。一方、色香というのはもっとメモラブルな何かで、相手と関わる中で生まれ、そして感じるもの。特に現代においては、人や社会に対して心や態度が開いているコミュニケーション上手な人のほうが、相手の記憶に刻まれ、ふと“あの人って…”と心をドキッとさせる確率が高くなっている気がしています」
色気や色香=性欲という公式はもちろん成り立つが、決してそれだけではなく、色気の解釈が広がっている、とも。
「かつて色気といえば、それのみ、という時代もあり、その一方で女性にとっては、人としての魅力と色気がイコールにならないことが、長年のジレンマでした。