くらし情報『不気味な色気に目が離せない! “あやしい絵”の展覧会が開催中』

2021年3月24日 18:40

不気味な色気に目が離せない! “あやしい絵”の展覧会が開催中

妖しい、怪しい、奇しい…。「あやしい」にはいろいろな漢字が当てはまる。実は幕末の開国から戦前は、絵画や文学、演芸の分野で「あやしい」作品が数多く生まれた時代。伝統的な絵画の世界で、また創刊相次ぐ雑誌の挿絵や本の装丁にも、美しいだけではない、神秘的で退廃的、エロティックでグロテスクな情景が描かれた。そんな絵を集めたのが本展「あやしい絵」展だ。

激動の時代のカルチャーが生んだ、魔性の美。
幕末から明治初期には、戊辰戦争の場面を描いた「血みどろ絵」、ズタズタに引き裂いた文をくわえた美人画など、錦絵や浮世絵のテーマに変化が訪れる。明治中期になると、ヨーロッパの世紀末美術の影響を受けた耽美的な作風も。
会場を巡ると、その時代の人々をひきつけてやまなかった「何か」が伝わってくる。

大正デモクラシーを経て、社会全体に民主的、自由主義的な風潮が広まると、画家たちの表現はより多様に。新しい様式やテクニックを取り入れるだけでなく、人の心の奥にある闇を生々しい表現で描き出す、特異な才能が次々と現れた。

注目は、上村松園、島成園に代表される女性画家の活躍。浮世絵以来続く美人画の枠にとどまらず、美しさはもとより、狂気をはらんだ怒りや悲しみを内に秘めた姿には、時を超えて訴えかけてくるものが。

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