2021年6月22日 20:40
6時間以上の実技が3つも…超過酷な受験を描いた『東京藝大ものがたり』
日本唯一の国立総合芸術大学で、東大以上の難関ともいわれる、東京藝術大学。その受験で3度振り落とされながら、諦めず挑んだあららぎ菜名さんの実体験を綴った『東京藝大ものがたり』は、ひたむきかつ壮絶なコミックエッセイだ。
頑張る人たちの背中を押す、リアルが詰まった藝大受験マンガ。
「藝大の美術学部は浪人経験者が多いのですが、現役合格者のほうがスポットを当てられがちなんですよね。浪人をするとメンタル的にもきつく、私の場合は一時期、絵を描けなくなったりもしたのですが、そういう姿こそ知ってほしいと思ったんです」
あららぎさんが受験したデザイン科は、センター試験(当時)を突破すると、デッサンのほか色彩構成、立体構成という3つの実技試験が待っている。ひとつの試験が6~7時間と異様に長く、技術だけでなく気力・体力勝負なのだが、それぞれの試験で求められることや、勉強方法などをわかりやすく解説していく。
「もっと早くに知っておけば、何度も浪人せずに合格できたかもしれない、と気づいたことを盛り込みました。というのも、マンガに出てくる私の父がまさにそうなのですが、美術家肌の人って教え方が感覚的で、わかりにくかったりするので」