岡本玲「高齢者の方々の性や孤独に関する事実を知り、打ちのめされました」
特に、私はおじいちゃんとおばあちゃんと暮らして育ったので、その年代の方々に対しては「清廉潔白」というイメージを勝手に作り上げてしまっていたところがありましたから。それだけに、高齢者の方々の性や孤独に関する事実を知って、打ちのめされました。
―しかも、日本の映画では“高齢者の性はタブー”のようなところがあるので、そういう意味でも本作への出演は挑戦だったところもあったのではないかなと。
岡本さん怖さとかよりも、この出来事とちゃんと向き合おうと思いました。うがった見方をしたり、ショッキングなものだからと面白がったりするのではなく、誠実に台本に取り組みたいという気持ちが強かったです。
―過去のインタビューでは、「どんな役でも自分とかけ離れてると思うことはなく、共感しないと演じられない」とお話されていますが、マナにも共感されましたか?
岡本さん今回は、逆に近すぎてどう演じたらいいんだろうと感じたほどです。マナは多面性のある女性ですが、わざと作っているわけではなく、彼女なりの愛情や相手にハッピーになってほしいという思いで過ごしているうちにそうなってしまっただけ。隠してはいましたが、私にもそういう部分があるので、そこは似ているのかもしれません。