我が子は心の病…「親は罪悪感を抱く必要はない」精神科医の助言をもとに注目作を手掛けた監督が断言するワケ
劇作家としても活躍している監督は、最新作で自身の戯曲を原作に選び、『ファーザー』に続く家族 3 部作の第 2 部を完成させています。そこで、作品に込めた思いや親子関係で大事にしていること、そして心の病と向き合ううえで重要なことなどについて語っていただきました。
―今回は、自らの人生から着想を得た物語ではあるものの、参考にしたのは人物や状況ではなくご自身が体験した感情とのことですが、具体的にはどのような感情が基になっているのでしょうか。
監督パーソナルなところから始まったのはその通りですが、脚本を書いているときに自分のなかにあったのは、主に父親として、そしてときには息子としての目線だったように思います。ただ、この作品が僕の物語であるかどうかより重要なのは、僕が経験した感情について描くこと。なぜなら、それが多くの方の共感を呼ぶものだとわかっていたからです。
―そう感じていたのはなぜですか?
監督ここでも描いているメンタルヘルスについては、もはや世界中に広がっている一般的な病気で、どこにでも見られるようになっているからです。周りを見渡してみても、実際に苦しんでいる人だけでなく、自分の子どもや友人を助けられなくて無力感を抱いているような人は増えているのではないでしょうか。