2023年11月29日 20:10
“普通”ができないふたりの友情物語 『君と宇宙を歩くために』誕生秘話
感動ではなくても、人の心が動くものを…。担当編集者のリクエストがきっかけになったという『君と宇宙を歩くために』。そして心が動くことの意味を、泥ノ田犬彦さんはある舞台を観て体感する。
“普通”ができないふたりでも、手を取り合えばできること。
「役のひとりが本当に愛おしくて、立っているのを見ているだけで泣けてしまうような存在感があったんです。『君がそこにいるのが嬉しい』みたいな心の動きって、膨大なエネルギーが渦巻いているんだなと思って、自分の中にあるその感覚と人生経験をベースにしながら、ストーリーの肉付けをしていきました」
勉強が苦手で、バイトも覚えが悪くて長続きしない小林は、乱暴なヤンキーとして周りから疎ましがられている。ある日、同じクラスに転入してきた宇野は、素直で明るいのだが、知らない人がたくさんいるところや、ルーティンではない状況が苦手で、日常のルールや困ったときの対処法を細かく記したノートを、肌身離さず持ち歩いていた。
「小林は『助けなくても何とかなるだろう』と第一印象で遠ざけられそうな子を想像して作りました。
宇野くんに関しては、“人とは違うところ”をエンタメにしたいわけではないので“キャラクターにしすぎない”ことを意識しています。