【シネマ羅針盤】ムーミンの魅力を再発見 「自分らしさ」のあるべき姿とは?
を開花。もちろん、ミイは相変わらずだ。
彼らのマイペースぶりは、ときに騒動を巻き起こし、家族崩壊のピンチさえ招くのだが、映画がハッピーエンドを迎えるのは言うまでもない。それはムーミンたちが、ムーミン谷での簡素な生活を通して、「自分らしさ」の土台に、周りの人々や環境があると知っているから。他者を認めるささやかな心づかいは、本作で再発見できる「ムーミン」の魅力であり、ともすれば「自分らしさ」の意味をはき違えてしまう現代人へのメッセージでもある。
同時期にはもう1本、70年代のTVアニメシリーズを再編集した『劇場版ムーミン谷の彗星パペット・アニメーション』も公開される。原作は1946年にヤンソンが発表した「ムーミン谷の彗星」。地球に近づく巨大な彗星に、ムーミンたちが右往左往するという物語は、第2次世界大戦の暗い空気感を背景にしているが、70年という歳月を経たいまでは、自然災害と向き合う日本人の心にも響くはず。
フェルト生地のムーミンがたまらなく可愛い!
『劇場版ムーミン南の海で楽しいバカンス』は2月13日(金)より全国にて公開。『劇場版ムーミン谷の彗星パペット・アニメーション』は2月28日(土)