2017年9月2日 08:00
【シネマ羅針盤】ゾンビ・不倫・ヤンキー…映画宣伝の裏に隠された“NGワード”
2017年の国内映画シーンで見逃されがちなのが、韓国映画の躍進だ。今年に入り、『哭声/コクソン』(ナ・ホンジン監督)、『お嬢さん』(パク・チャヌク監督)といったパワフルな作品がロングランヒットを記録し、韓国映画産業のポテンシャルの高さを発揮している。
そんな中、ついに日本に上陸するのが『新感染 ファイナル・エクスプレス』だ。突如、感染爆発(パンデミック)が起こったソウル発プサン行きの高速鉄道KTXの車内を舞台に、“時速300キロの密室”で凶暴化する感染者たちと対峙する人間のサバイバルを圧倒的なスケールで描いた本作は、本国での年間No.1の大ヒットを記録。すでに世界150を超える国と地域から買い付けオファーが殺到している。
まさにゾンビ映画の新たな傑作として、この秋絶対に見逃せない本作だが、先日来日を果たしたヨン・サンホ監督がトークイベントで興味深い話をしていた。
「韓国では公開前のプロモーションで、ゾンビという言葉はNGでした。映画会社は女性から敬遠されないよう、ゾンビ映画として売り出すことを避けたかったようです。インタビューを受ける際も、ゾンビの話題になると『あー、あの、あれですよ』なんていう風に言葉をにごした。