2021年9月10日 17:15
『銀河ヒッチハイク・ガイド』『ギャラクシー・クエスト』… 驚きが詰まった宝箱のようなSF映画
メイン州の田舎町で母親と暮らす少年ホーガースと、流星とともに森に突然現れた巨大なロボット、アイアン・ジャイアントとの友情物語だ。ホーガースは、心優しいジャイアントを大人の目から匿っていたのだが、政府の捜査官に見つかってしまう。やがて、攻撃を受けることで豹変するジャイアントの悲しい秘密が明らかとなり…。
偏見なく素直な心で物事を見つめる子供と、すべてを厄介事だと判断する大人との違いが、色濃く描かれているこの作品。シンプルでエモーショナルな物語だが、それは観る者の年代によって、違った感動を呼ぶ多層的な映画でもある。監督が『レミーのおいしいレストラン』のブラッド・バードだと聞けばなるほどと思う人も多いだろう。「原子爆弾」がモチーフとして登場するが、それは短絡的かつ攻撃的な大人社会の欠陥、大きな過ちの象徴として描かれているあたりに、平和への祈りを感じさせる。米ソ冷戦時代という背景を意識しておくと、本作の根底にある、愚かな争いへの警鐘のようなものも感じ取れることだろう。
最後におすすめしておきたいのが、『銀河ヒッチハイク・ガイド』だ。英国の作家ダグラス・アダムスによる原作は、あのイーロン・マスクの愛読書でもあったという。