2022年4月10日 14:00
バングラデシュ縫製工場労働者を3年リサーチ「女性たちは働き、自分自身と家族の生活を支えている」
彼女は組合のリーダーを務めており、勇気があり、強く、はっきりものを言う女性だと思いました。彼女は虐待を伴う結婚生活でとてもひどい扱いを受けていましたが、尊厳を強く求めてもいました。そのようなわけで、私はダリヤが実際に経験した出来事に基づいて、本作の執筆を始めることができたのです。
Q:リサーチの中で印象に残っていることはありますか?
RH:女性工場労働者たちの主な年代は、18~30歳ととても若いです。固いベンチに座ってミシンの前で体をかがめ、1日10時間以上週6日働き、稼ぎはよくて1か月100ユーロです。こんな生活では背中と肩を痛めてしまうため、年配の女性工場労働者はなかなか見つかりません。
しかし私が興味を惹かれたのは、稼ぎが少なくても、労働環境が悪くても、家では家長との闘いが待っていても、彼女たちがエンパワーされていることです。100年前のバングラデシュでは、女性は働くことさえできなかったので、世間から隔絶された生活を送らねばなりませんでした。
現在、女性たちは働き、自分自身と家族の生活を支えています。工場と家庭で、自分たちの権利のために闘っています。
Q:主人公の工場で働くシムの運命はバングラデシュではありふれたものですが、同時に現実に存在するヒロインでもありますね。