報道、とりわけテレビがもたらす映像の影響力は良くも悪くも凄まじい。それに長澤さんと「ラスト・フレンズ」(2008)や「若者たち2014」で共演している永山瑛太演じる、サングラスの長髪姿の男性も気にかかる。
当初は生気のなかった恵那が冤罪を追う目的を得たことで凛とした凄みを増していく様を、見事に体現している長澤さん。エンドクレジットに参考文献がずらりと列記されるように実際の事件を参考にして練られた脚本は、NHK連続テレビ小説「カーネーション」や土曜ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」などを手がけ、今回初めて民放連続ドラマを執筆した渡辺あや。渡辺さんと、TBS「カルテット」やカンテレ/フジテレビ「大豆田とわ子と三人の元夫」などの佐野亜裕美プロデューサーとの6年越しの企画を背負うだけの気概も感じさせる。
第8話あらすじ(12月12日放送)
かつて迷い込んだ商店街で、暗がりのなか、えたいの知れない雰囲気と危険をはらんだ瞳で恵那(長澤まさみ)を惑わせた男――。その人物こそが、大門副総理(山路和弘)の有力な支援者である「本城建託」社長の長男・本城彰だという。あの男には何かある…。
そう直感した恵那に頼まれ、拓朗(眞栄田郷敦)