2023年2月16日 17:30
【インタビュー】ウベルト・パゾリーニ監督が描く、死と向き合い生きる希望を見出す親子の物語『いつかの君にもわかること』
つまり言葉ではない形で多くのもの、感情を伝えられる俳優でなければならないのです。ジェームズのキャリアは幅広くて、コメディもドラマも、善人も悪役もやっています。ある作品でのかなり抑制した演技を見て、彼ならできるんじゃないかと思って脚本を送ったら、すぐ連絡が来て「泣きました」と言ってくれました。
彼に子どもはいませんが、駆け出し時代に子ども向けのエンターテイナーの仕事をしたことがあるので、子どもと接するのは慣れているそうです。実際、彼は素晴らしかった。最初こそ演技は少し大きめでしたが、すぐに共通の映画的言語を見つけることができました。
子役ダニエル・ラモントの起用
「演技体験の旅を共にしたい」
――マイケル役のダニエル・ラモントと本当に親子に思える自然さでした。
撮影当時4歳だったダニエルがあれだけ演技ができたのも、ジェームズのおかげだったと思います。
ジェームズはとても心が広いのです。そんなジェームズを見ることによって、ダニエルもまた物静かな演技をできたと思いますね。
――幼い子どもが死と向き合う内容に、フランス映画の『ポネット』(97)を思い出しました。『ポネット』で主演した少女も撮影時は4歳で、名演を絶賛されましたが、ダニエルの表現力はそれに勝る勢いです。