2011年1月7日 20:19
『ソーシャル・ネットワーク』インタビュー ジェシー・アイゼンバーグが感じた価値観
丁寧に言葉を選びながら本音をサラりと語る。そんな姿勢からも彼が飾らない俳優であることが伝わってくる。好青年だ。
しかし、彼が演じるマークは、アイデアを盗用されたと主張するウィンクルボス兄弟と“Facebook”の創業時の共同経営者エドゥアルドに裁判を起こされてしまうような、いわゆるコミュニケーション下手な人間。たいていの映画の主人公は、観客が共感できるキャラクターであることが多いが、アイゼンバーグが演じたマークは、どんな人間なのか、何を求めているのか、つかめそうでつかめない。演じる本人も「最初からマークに同情はしなかった」と明かす。「マークはものすごく利己主義的で欲張りに映っているかもしれないけれど、同時に現実的であると僕は思っていて。観客のなかにはマークよりも彼に対抗する人たちの気持ちの方が理解できるという人もいる。
でも、結局のところ、どちらにも同情はできないと思うんだ…」。共感しにくいからこそ知りたいという興味が湧き、ゆえに緊張感を持ったままエンディングを迎える。それがこの映画の醍醐味でもある。「脚本を読んですごく面白いと思ったのは、キャラクターそれぞれに言い分があるのに、それぞれが合意していないことだね。