2014年11月11日 10:00
エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - (291) 会議のデジタル化で効率は悪化するデジタルデータ0.2
○会議に生まれる無駄
見かけ上の便利さ、あるいは便利という思いこみが無駄を生み出し、生産性を押し下げていることがあります。特に「会議」において「ネット以前」の数倍の無駄が生まれていることは、あまり気づかれることはありません。
自民党の「IT戦略特命委員会」は、出席者にタブレット端末を配布し、会議資料は画面上で閲覧する形に切り替えたと日経新聞が報じていました。紙の無駄遣いが減るという視点でまとめられた記事の中で、平井卓也衆院議員は「外部に公表できない資料の管理も徹底できる」と強調します。たしかに情報管理しやすいのはデジタルデータの利点です。しかし、デジタルデータは物理的制約を受けず、ひとたび流出すれば1秒もせずウクライナの首都キエフにまで情報は拡散されます。また、ページを前後して見比べるのに不向きで、面積はタブレット端末のディスプレイに限定されます。外出の多いビジネスマンに取っては、タブレットがもつ省スペースや携帯性のメリットは大きくても、社内や国会内という限定された空間では、特筆すべきものではありません。
ちなみに「紙の無駄」とは「経済誌」らしからぬ0.2な視点です。
○Dropboxで情報共有
その会社では数年前まで「紙」