2015年3月9日 06:00
1分でできる世界遺産小話 (33) 聖なるインドで弾丸世界遺産ツアー(後編)
「前編」「中編」そしてこの「後編」で、デリー・ジャイプール・アーグラの3都市を1日1都市ずつ巡るインド弾丸ツアーを、世界遺産に寄せてレポートしています。2日目午前中にジャイプールの観光を終え、ツアー客を乗せたミニバンはいよいよ最後の地・アーグラを目指します。その途中、アーグラから1時間くらい手前のところで世界遺産『ファテープル・シークリー』に立ち寄りました。
○コロコロ変わるムガル帝国
ここはムガル帝国3代目の皇帝が遷都した都市です。そもそもムガル帝国ってなんなんでしょう。世界史の授業で聞いたかも? というぼんやりした記憶をお持ちの方がほとんどだと思います。長らくヒンドゥー教が信仰されてきたインドの地に、16世紀前半に乗り込んできたイスラム王朝です。
ここでひとつ、とっておきの情報を披露しましょう。
ムガル帝国が成立したのは1526年。「アイ(1)・ゴー(5)・ツー(2)・ム(6)ガール」、ほら一発で覚えられたでしょう?
……痛い視線を感じつつ話を進めますと、ムガル帝国はその後300年近く続くのですが、人民はみんなヒンドゥー教徒なのでとってもアウェーなわけです。皇帝によっては人民との融和政策を図ったり、別の皇帝はイスラム教を強要したり、コロコロ対応が変わります。