カーエレクトロニクスの進化と未来 (71) Infineon、HEV/EV用のIGBTモジュールの次世代版を開発中
これにより、ユーザーのシステムコストを抑えることができるとしている。
こういった特徴を備えているのは、HEV/EV市場が2020年までに年率平均(CAGR)20%で成長していくと見ているからだ。その成長のためには、3つのテクノロジーが必要とする。1つは標準化された安全技術を確立すること、2つ目はコストを下げること、そして最後は、環境対策としてCO2を削減すること、である(図2)。特に、インバータやDC-DCコンバータ、モータ駆動などにはIGBTをモジュール化することでコストダウンを推進する。
クルマのパワートレイン用のモータ駆動には、直流で300V程度まで昇圧したバッテリを使うため、モジュールを用意していると使いやすい。もちろん、ユーザーによっては高耐圧半導体になれたエンジニアもいるだろうから、ベアチップでも個別トランジスタでも販売するが、モジュールはエレクトロニクスになじみの薄いユーザーにはクルマのドライブに集中し、パワー半導体を気にする必要がない。Infineonの強みは、IGBTやSiCなどパワー半導体を使った「システムノウハウを持っていることで、自動車品質を十分理解していることだ」