2015年6月5日 11:00
巨人・井端弘和とヤクルト・田中浩康から学ぶユーティリティー選手の真髄
野球において、どのポジションでも守れる選手のことを「ユーティリティープレーヤー」と呼ぶ。チームのウイークポイントを埋める欠かせない存在である反面、確固たるレギュラーポジションを持たないことの裏返しでもある。よく言えば「器用」。悪く言えば「器用貧乏」とされてしまうのも、このタイプの宿命だ。
野球ファンがユーティリティープレーヤーとして思い浮かべる選手に、石川雄洋(DeNA)や西川遥輝(日本ハム)がいるだろう。
石川は昨季、二塁手、遊撃手、左翼手、中堅手、右翼手と内外野を幅広くこなしていた。しかし、それは新外国人・グリエルが入団して、彼の動向に応じて、いろんなポジションをたらい回しにされていた感が強い。事実、グリエルがゴタゴタの末に契約解除された今季は、二塁手に完全固定されて好結果を残している。
一方の西川については、現状は「どこでも守れる」というより、「どこを守れるか探している」というほうが、適切な表現だろう。当初は二塁手として期待されていたものの、近距離の送球が不安定で一部ファンの間では「魔送球」と揶揄(やゆ)されることもあった(「魔送球」については不朽の名作『巨人の星』をお読みください)。