2015年6月9日 12:00
「プラトーンM」ロケットの打ち上げ失敗―斜陽に沈むロシアの宇宙開発 - 半世紀もの間潜み続けた設計ミス
●ロシア連邦宇宙庁は事故原因を断定
2015年5月16日、カザフスタン共和国のバイカヌール宇宙基地から打ち上げられたロシアの「プラトーンM」ロケットが打ち上げに失敗し、搭載していたメキシコ合衆国の通信衛星「メクスサット1」と共に墜落するという事故が発生した。
プラトーン・ロケットは、大型衛星を打ち上げられるほぼ唯一のロシア製ロケットで、ロシアの主力ロケットとして活躍し、また世界的な人工衛星の商業打ち上げ市場においても高い存在感を放ち、さらに国際宇宙ステーションの建設でも活躍するなど、ロシアの宇宙産業が持つ技術の高さの象徴でもあった。しかしここ数年は打ち上げ失敗が相次いでおり、今や斜陽化の象徴となってしまった。
前々回の記事では、今回の打ち上げ失敗の概要について紹介した。また前回はプラトーンがどのようなロケットなのかについて紹介した。
今回は、5月29日にロシア連邦宇宙庁(ロスコースマス)から発表された、今回の事故調査結果について見ていきたい。
○プラトーンの第3段エンジン
ロシア連邦宇宙庁(ロスコースマス)は5月29日、今回の失敗原因について断定したと発表した。
それによると、問題はロケットの第3段に装着されている、「RD-0214」