くらし情報『兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (17) 漫画家・カレー沢薫が語る「アイデアのつくり方」』

2015年6月30日 12:00

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (17) 漫画家・カレー沢薫が語る「アイデアのつくり方」

勝手に動いていたはずのキャラが、どこの武田信玄かと言うぐらい、動かざること山のごとしになるのである

作家にとって非常に苦しい時である。作品に対するテンションが下がっているのに、その不人気を挽回するネタを考えなければいけないのだ。こういう時に、読者から見れば「どうしてこうなった?」というような破天荒なテコ入れがされてしまったりするのだが、作者の精神状態的には"両足骨折で権太坂を上ろうとしている"ようなものなので、多少トチ狂ったことになってしまっても、それは仕方のないことなのである。

○わが子のような作品の"蘇生"

もちろん、人気がないからと言って、その作品がかわいくなくなったというわけではない。前述のように何とか蘇生してやろうと、心臓マッサージを繰り返し、肋骨をボッキボキに折って逆に息の根を止めてしまうこともしばしばだ。

しかし、わが子可愛さゆえの親心が、逆の方向へ行ってしまう場合もある。1巻の売れ行き状態を聞いて「この子は短命かもしれない」と悟った瞬間「1日でも長く生きさせよう」ではなく「せめて安らかに眠らせたい」と思ってしまう場合もあるのだ。つまり、急な打ち切りにより、伏線が回収できずに支離滅裂な終わり方はしたくない、と思ってしまうのだ。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.