2015年11月27日 10:00
地球最後の秘境・深海はどんな世界? - 超深海をめざす「しんかい12000」 (1) 「世界一」を取り戻す
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宇宙へ頻繁にアクセスできる時代になったが、足元には未開拓の未知の世界が広がっている。水深6000m以下の「超深海」は、光が届かず水圧1000気圧を超える過酷な世界。だが2015年、水深1万mを超える世界最深部のマリアナ海溝に、独自の生命圏が広がっていることをJAMSTECの研究者らが世界で初めて明らかにした。いったいどんな生命が? なぜ? 興味は尽きない。この超深海ゾーンを徹底的に探査しようという日本の有人潜水調査船構想がある。その名は「しんかい12000」。約10年後の実現を目指すこの計画は、生命や惑星地球に関する知見を大きく塗り替えるはずだ。磯崎芳男JAMSTEC海洋工学センター長に、背景から未来までじっくり伺った。
○「しんかい12000」の使命とは
―改めて今なぜ「しんかい12000」なのか、その背景を教えていただけますか?
磯崎:二つの意味があります。ひとつは技術者として。「しんかい6500(以下6K)」