2015年12月9日 17:54
300mmウエハの超薄化においてDRAMの限界厚さは4µm前後 - 東工大など
4µmレベルの厚さであれば、薄化前と薄化した後のリフレッシュ時間の累積故障率が変わらないことを確認、薄化による新たな原子欠陥が生じないことを実証している。なお4µmは、DRAMのデバイス層よりも薄く、可視光も透過する厚さだ。
同薄化技術を利用すると、デバイス層を含めても10µm以下となり、この厚さがTSVの長さとなるため、従来のバンプを利用したTSVに比べ約1/10に短縮される。この際、配線性能の指標となる配線抵抗と電気容量の積は1/100に減少。このため4ギガビット、8ギガビット、16ギガビットといったメモリー容量の拡大に合わせて、WOWプロセスを使って4層、8層、16層積層しても、薄化したチップであれば電気的な課題が解消される。薄化チップを64層積層しても全体の厚さは800µm以下に収まり、仮に16ギガビットメモリーを積層すれば、小型ながら1テラビットの大規模メモリーを実現することができる。
ウエハ厚さ4µmでこのようなTSVを利用すれば低周波数でも高帯域が可能となり、ギガビット転送速度当たりのエネルギー効率が向上する。このためビッグデータ向けのサーバーやスマートフォンをはじめ小型携帯端末の消費電力の大幅な削減が期待できるという。
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