くらし情報『兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (54) 地方在住のオタクと「ガンジス川のまんじゅう」』

2016年3月15日 12:00

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (54) 地方在住のオタクと「ガンジス川のまんじゅう」

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (54) 地方在住のオタクと「ガンジス川のまんじゅう」
今回のテーマは「地方でオタクをやることのメリット・デメリット」である。

カレー沢は地方のオタクである。ソシャゲに課金し、ピクシブを一日中巡回して暮らした、と、まさかの二回連続メロス引用による開幕である。しかしこれは私の表現力が低いのではなく、太宰がすごすぎるのだ。

○地方はオタクにとって「マッドマックス」

私は地方の生まれであり、生まれてこの方地元を出たことがない。おそらくこれからも、離婚や家の全焼、あるいはそれに類するようなよほどのことがない限りは出ないだろう。

私の地元は住むには良い所だが、オタクとして活動するにはデメリットしかないようなところである。特にネットが普及する以前はひどく、当時坊主頭に麦わら帽子をかぶった中学生だった私はセーラー服の袖口を鼻水でカピカピにしながら、「コミケってどんなところだっぺなー」と、るろうに剣心あたりのキャラを模写しながら夢想したものである。


同年代の女子が渋谷や原宿に憧れていたころ、私は一人ビッグサイトを思い描いていたのだ。人生というものは、割と早い段階から勝負がついているという好例である。

都会住みでも、中学生から同人活動をしている人間は少ないだろうと思われるかもしれないが、おらが村に関して言えば本屋すらなかった。

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