2016年3月22日 20:47
三菱重工、UAEの火星探査機の打ち上げを受注 - 2020年にH-IIAで打ち上げ
三菱重工は3月22日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府宇宙機関「MBRSC」から、H-IIAロケットによる火星探査機「アル・アマル」の打ち上げ輸送サービスを受注したと発表した。
打ち上げは2020年の予定で、UAEの建国50周年となる2021年に火星への到着を目指す。
三菱重工にとって、海外顧客からの衛星打ち上げ受注は4件目となった。
○アル・アマル
アル・アマルは、UAEが開発中の火星探査機で、同国にとって初の惑星探査機となる。アル・アマル(Al-Amal)は「希望」を意味するアラビア語である。
主に火星の大気に重点を置いた観測を行うことを目的としており、高い分解能で写真を撮影する高性能デジタルカメラの「EXI」、紫外線で高層域の大気や、酸素や水素の流れを探る「EMUS」、そして赤外線で大気の温度パターンや、氷や水蒸気、塵を探る「EMIRS」の、大きく3種類の観測機器を搭載する。
機体は地球観測衛星に似た六角柱の形状をしており、幅2.37m、高さは2.90mで、打ち上げ時の質量は約1500kg。設計寿命は約2年が予定されている。
打ち上げ時期は、地球と火星との位置関係から、2020年の7月ごろになると見られる。