くらし情報『X線天文衛星「ひとみ」との通信は回復せず、衛星が回転している可能性も』

2016年4月1日 21:38

X線天文衛星「ひとみ」との通信は回復せず、衛星が回転している可能性も

X線天文衛星「ひとみ」との通信は回復せず、衛星が回転している可能性も
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月1日、先月26日から通信が途絶えているX線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について報告した。現在までに通信は復旧しておらず、依然として衛星の詳しい状態は不明であるものの、前回の記者会見から新たに分かったこともあり、より詳しい状況が明らかになってきた。

ひとみに何が起きたのか。この難問への正解は残念ながらまだ無い。衛星と通信できない以上、現時点で原因を特定することは難しいが、有力な手がかりとなりそうなのが地上からの観測情報だ。

米JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター)の発表によれば、ひとみの周辺に5つの物体が観測できたという。これは、ひとみに破片が出るような物理的な破壊があったことを意味する。ただし一方で、その後にひとみからの電波を受信していることもあり、致命的な破壊では無かったと見るのが妥当だ。


JSpOCの発表のあと、日本でも独自に観測を試み、ひとみの軌道上に2つの物体を確認した。仮に物体AとBとすると、光学望遠鏡による観測で、物体Aは3~7等級と明るく、物体Bは5~9等級と暗い。またレーダー観測では、物体Aは常時観測でき、物体Bは2回しか観測できなかった。

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