2016年4月4日 11:56
山梨大、マウスの尿に含まれていた細胞からクローンを作製することに成功
しかし、野生動物やマウスのような小動物の場合、無菌での回収は難しく、得られる尿や細胞もわずかであり、増やして利用することはできない。
そこで今回、同研究グループは、尿から回収した細胞を直接利用してクローンマウスの作出が可能かどうか検討するため、まず遺伝的背景の異なる4種類のマウスの尿から回収した細胞を用いて核移植した胚を4日間培養。すると、いずれの系統および性別でも38%~77%の胚がクローン胚盤胞へ発育した。
また2細胞期のクローン胚を卵管へ移植したところ、1歳齢の129B6F1のメスの尿細胞から1匹、3カ月齢のBDF1のメスから2匹、オスから1匹のクローンマウスが生まれた。このうち、BDF1マウスの尿由来のクローンマウスを性成熟後に交配したところ、子供を出産。これにより、これらのクローンマウスは外見が正常で健康なだけでなく、正常な繁殖能力も有していることがわかる。
さらに、同研究グループは、得られたクローン胚盤胞をES細胞樹立培地で培養することでクローン胚からES細胞を樹立。得られたクローンES細胞については、ES細胞特異的マーカーなどでES細胞と同等の未分化性を有することが確認されている。