2017年5月25日 12:30
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (7) 木村拓哉との再会で涙…裏方のプライドとカンヌの重み (2人目:坂美佐子P)
連載第7回は、「カンヌ公式上映の重み」と「裏方のプライド」。
○カンヌ出品の苦労
――三池監督は取材した時点で、すでに別の作品を撮っていたりしますよね。映画化が発表されると「あの時はこれを撮っていたのか!」と、いつも驚かされます。
そうですね。映画監督の「作りたいもの」には芸術性を求めがちだと思うんですけど、三池監督には当てはまらない気がします。今の世の中の人が見たいものをキャッチして、どのように作るかを考える。そして、自分が楽しめるものを作っていく。三池監督の想いは、芸術性とは全く違うところにあると思っています。
――カンヌで公式上映されることが決まりましたが、このあたりも見据えていたんですよね(4月下旬に取材)。
海外だけを視野に入れていたわけではありませんが、もちろんエントリーしました。われわれ映画人にとって、カンヌは誰もが掲げる目標。三池監督は海外から支持されていますが、発表されるまではドキドキでした。本当にホッとしています。
世界中からの何千本という中から数十本しか選ばれないわけですから、それがどれだけ難しいことか。三池監督で何本も経験していますけど……やっぱりみなさん「カンヌ」