くらし情報『東大、液体の水の水素結合は「ミクロ不均一モデル」であることを確認』

2013年11月13日 17:17

東大、液体の水の水素結合は「ミクロ不均一モデル」であることを確認

今回の研究では、高分解能の軟X線吸収・発光分光を用いて、軟X線照射によって起こる水分子の振動を精密に観測。水分子の振動は、通常の赤外吸収分光やラマン散乱分光でも観測することができるが、軟X線では照射する光のエネルギーを選ぶことによって特定の水素結合環境にある水分子を選ぶことができ、液体の水の酸素の軟X線吸収スペクトルには、特徴的なピークが確認された。水のミクロ不均一モデルでは、このピークが水素結合のつながっていない水分子に由来すると考えてきたが、その実験的な証拠が掴めていなかったことから、さらにそのピークに照射する軟X線のエネルギーをあわせることで、水素結合がつながっていない水分子を選択し、軟X線発光スペクトルに現れる水分子の振動エネルギーを観測する実験を実施。入射した光のエネルギーを原点にとって表示した軟X線励起の振動スペクトルから、最も低いエネルギーの振動を、既存の振動分光手法で得られる振動エネルギーと比較したところ、はっきりとした違いを確認することに成功。これにより孤立した水分子のOH伸縮振動エネルギーに近く、ピークAで選択された水分子は確かに水素結合が切断されていることが示され、この結果から、水の中に水素結合様式の異なる状態が共存するというミクロ不均一モデルが裏付けられたこととなった。

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