くらし情報『大泉洋上京のきっかけ作った? 前田哲監督の、感動モノにしない闘病映画』

2018年12月28日 11:30

大泉洋上京のきっかけ作った? 前田哲監督の、感動モノにしない闘病映画

と言おうと思ったら、大泉さんはもう遠くの方から走ってきて息を切らしていました。役者としての心得をすでに持っている部分がいっぱい見えたので、「絶対にスターになるな」と思っていました。ひとつひとつの仕草も面白いし、リアリティとの塩梅もいい。その後も、ずっと大泉さんと一緒に仕事したいと思っていました。

――そこから今作まで16年かかったのは。

例え僕のほうに思いがあっても、やっぱりタイミングやいろいろ事情があるわけじゃないですか。でも、今回はすべてがパンっと合わさった。なおかつこの企画は、全国300館以上でかかる、ドメジャーな作品でないといけなかったから、大泉さんが出ないと実現しなかったんです。
まあ運命ですね。

――その間は交流はあったんですか?

会ってなかったですね。でも、今回の作品で久しぶりに再会したら、昨日も会ってたような感覚でした。大泉さんはもともと壁のない人なので、すぐに打ち解けました。もちろん、あの頃に比べたら、全国区の大スターになってるんですけど。大泉さんとの話といえば、「手紙書いたのに読んでなかったのかよ」話もありますね。

――それはどういうことなんですか?

この映画への思いを切々と10枚もの便箋にしたためて、台本と一緒に渡したんです。

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