2019年9月6日 10:30
なぜ草なぎ剛をクズ男役に!? 『台風家族』監督が明かす真意とその功績
“いい人”キャラの草なぎ剛が、金に汚く、娘から「自立しろよ」とまで言われしまうクズでゲスな中年男を振り切った演技で体現した『台風家族』(9月6日公開)。本作は『箱入り息子の恋』(13)の市井昌秀監督が12年間温めてきた念願の企画を映画化だが、主人公のキャラは半ば草なぎをイメージしたものだというから驚く。
映画は両親が銀行強盗で強奪した2000万円とともに失踪してから10年後、時効の成立とともに久しぶり実家に集まった4兄弟が遺産分与をめぐって醜い争いをする姿をシニカルに描いたもの。そこではキャスト陣の剥き出しの感情がぶつかり合うが、市井監督は兄弟の中でも最もゲスでクズとして描かれる主人公の長男・小鉄役には最初から草なぎ剛を想定していたという。果たしてその真意と、キャスティングされた草なぎがもたらした功績とは!?
――『台風家族』は市井監督が12年間温めていたオリジナル脚本の映画化なんですね。
そうなんです。アイデアのもとになったのは幼いころの出来事です。大型の台風が来て街中が停電になったことがあったんですけど、夜中、台風が去った後、家族で外に出てすごくはしゃいだ記憶が鮮明に残っていたので、台風と家族をつないだ映画を撮れないかなと思ったのが最初で。